Escape the room game (脱出ゲーム)

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カテゴリー: ジャンル

概要

閉鎖された空間から脱出することを目的としたゲームジャンル。謎解き要素が用意されており、それにより進行を塞いていた扉などが解除され探索可能なエリアが広がる、 Linear progression (リニア進行) のゲームプレイ。

舞台設定

舞台は「山奥の廃屋」「刑務所の独房」「海上の豪華客船」「ダンジョン」など、様々な Closed circle (閉鎖空間) が設定される。何らかのテーマに合わせて舞台設定がされることが多い

謎解き要素

脱出ゲームでは、探索可能なエリアで得られるヒントをもとに、各所に配置された謎やパズルを解くことが要求される。

謎やパズルの種類としては、ヒントとなる単語を別の単語に置き換える暗号、なぞなぞ、クロスワード、数学などの一定のルールやパターン、常識などを利用して答えを得るものが用意される。

また、ジグゾーパズル、光の反射を利用する、オブジェクトを回転させる、隠された物体を探す、物体を組み立てる、迷路を進むなど、物理的法則を利用する謎解きも存在する

視点

デジタルゲームにおける脱出ゲームは、1人称視点 または 3人称視点 での探索を行う

1人称視点の脱出ゲーム

MYST や Crimson Room のような Point-and-click adventure games (ポイントアンドクリックゲーム) 。または探索型 FPS。

3人称視点の脱出ゲーム

バトル要素がない(または少ない)、JRPG風の探索ゲーム。またはトップビュー、またはサイドビュー視点。

他のジャンルとの複合

脱出ゲーム+ノベルゲーム

脱出ゲームを Visual novel (ノベルゲーム) と融合させた作品もいくつか存在する

  • Zero Escapeシリーズ(極限脱出シリーズ):デスゲームのストーリーと脱出ゲームを組み合わせた作品
  • 密室のサクリファイス:終末世界を生き延びようとする女の子たちの複数視点で語られる脱出ゲーム
  • 脱出アドベンチャーシリーズ:ホラー要素のあるストーリーの脱出ゲーム

ノベルゲームが1人称視点であるため、ポイントアンドクリックの脱出ゲームと相性が良い……ようにも思えるが実はいくつか欠点(※後述)があるため、積極的に作られるジャンルでない(気がする)。

アクション・アドベンチャーゲーム

Action-adventure game (アクション・アドベンチャーゲーム) は、脱出ゲームというよりは「探索・パズル」要素のあるアクションゲーム。3人称視点で2Dであればトップビュー、サイドビューが採用されている。

アクション要素とホラー要素との相性が良い(凶悪な敵に捕まらないように逃げる)ため、一定の人気があるジャンル。

代表作としては以下の通り。

  • クロックタワー:2Dサイドビュー。恐ろしい洋館に閉じ込められた女の子の脱出劇
  • バイオハザード:3D固定カメラ。ホラー要素もあるけれど、ガンアクションでもある
  • サイレントヒル:バイオハザードのJホラー版
  • 青鬼:2Dトップビュー。青鬼から逃げつつ謎や仕掛けを解きながら洋館から脱出するゲーム

アクション要素をさらに強くしたジャンルとしては 「生き延びる」ことを目的とした Survival horror (サバイバルホラー) がある。

考察:脱出ゲームとノベルゲームの相性が悪い理由

脱出ゲームは基本的に一度謎を解いたら、それを繰り返す解く必要はない Linear progression (リニア進行) のゲームである。それに対して、Visual novel (ノベルゲーム) は長いテキストを読み、時折入る選択肢によって展開が変化する Nonlinear progression (非リニア進行) が含まれたゲームとなっている。

この相性の悪い2つのジャンルを組み合わせることによる違和感が「極限脱出 9時間9人9の扉」での Multi Ending (マルチエンド) である。初期のバージョンでは異なるエンディングを見るために、結果の変わらない同じ謎解きを何回も解くことになったが、意味のない作業となった。リメイク版では一度解いた謎はスキップできるようになったが、これにより脱出ゲームと組み合わせる意味がなくなってしまった。

もし脱出ゲームとノベルゲームを組み合わせるのであれば、マルチエンドのないストーリーが良いだろう。しかしそうなると Replay value (リプレイバリュー) の低いゲームとなってしまうが、もともと脱出ゲームはリプレイバリューの低いゲームなので、そのあたりは割り切りが必要なのかも知れない。

なおアクション・アドベンチャーゲームについては、謎解き中はゆっくり考えることができ、アクションになるとせわしなく手を動かすことになる、といったメリハリのついたゲームプレイができて、両者の要素の相性が良いと考えられる。また、繰り返し遊ぶ場合にもアクション要素があると動作を最適化する楽しさやショートカットする楽しさがあり、ノベルゲームのようにテキストをスキップするだけの単純作業とは異なるゲームプレイがあるのが理由かもしれない。

参考

謎解き作成で参考になるページ

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