概要
Zoombinis (ズンビーニ)は論理的思考・クリティカルシンキングを身につけることを目的とした知育ゲーム。
ストーリー
ズンビーニたちは邪悪な悪党に奴隷のように働かされた挙げ句、故郷を奪われることになる。逃げ出したズンビーニたちは神秘的で危険な土地にたどり着き、理想的な土地を求めズンビーニヴィレを目指す。
考察
繰り返し遊べるパズル
ズンビーニの大きな特徴として「繰り返し遊べるパズル」を前提としている。出題されるパズルは今となっては珍しいものではない論理的思考を問われるものではあるが、特筆すべき点として、くり返しのプレイに耐えられるように問題と解答が自動生成される。それにより「答えを暗記」して「1回解いたら終わり」というパズルの問題点を解消していることにある。
各パズルの紹介と解説
ゲームを開始すると、まずは16のズンビーニを作成することから始まる。
ただ16作るのは大変なので、通常はサイコロをクリックして自動生成することになる。
最初の試練は「アレルギーの谷」と呼ばれる場所である。ここでは「手前の橋」か「奥の橋」をズンビーニが渡ることになる。しかし「ある法則」によって手前と奥で通過可能なズンビーニが異なる。それを見つけるのがここでの目的となる。
よく見ると分かるのだが、髪型がちょんまげのズンビーニは奥の橋を渡ることができる。そしてそれ以外の髪型のズンビーニは手前の端を渡ることができる。
この問題は数学的には、ちょんまげをAとした場合に手前の橋はAの補集合であり、集合を求めるパズルと言える。
石の冷たい洞窟は、アレルギーの谷の応用問題である。ここではルートが4つ用意されており、それぞれの特性を知っておく必要がある。
左右はアレルギーの谷と同じく、どちらかが A の集合で、もう片方が Aの補集合となる(ちなみに以下の画像の答えは「鼻の色」である)。
ポイントは中央の見張り番にある。今回は下段が正解で上に進むルートを選ぶと必ず通行止めされることになる。ただ難易度が上がるとこの条件も複雑化する。
例えば難易度が上がることで中央の条件が変化したのが下の画像である。
ピザパスはピザ好きなトロルの好きなピザの具の組み合わせを当てるパズルとなる。
下記画像では難易度が上がっているためデザートが追加されているが、初期難易度は「5種類」の具から「2つ」選ぶというものであり、組み合わせパズルとヒット&ブローを組み合わせたパズルである。(ちなみに以下の画像での正解は男トロールの方は「パイナップル」「チェリー」のトッピング。女トロールの方は「サラミ」のみ)
キャプテン・ケイジャンのフェリーボートは「共通するパーツ」を持つズンビーニを連結させて配置するパズル。グラフ理論を要求する問題である。
タイタニックの入れ墨のヒキガエルは「色」「葉の切込みの数」「ゆりの形」にマッチする経路を探すパズルである。
例えば色に注目した場合は、以下のような経路をたどるため、対応する開始地点にヒキガエルを置くことが正解となる。
ゆりの花の形に注目した場合はこのようになる。
ちなみにこういった経路探索系の問題はゴールから逆引きで探索すると見つけやすいことがある。
なお、ヒキガエルは2回のみ使用可能なので、使用可能なものを間違った場所に配置してしまうと2回分ロスが発生してしまう。
ストーンライズは「対応するペア」を探すパズルである。
フリーンズ!ではズンビーニの特徴に対応するフリーンズを探すパズルである。例えば青ふちのメガネはサイクロップスのような目に対応している。
共通点を探し、消去法で候補の対象を消していくことで解くことができる。
ホテル・ディメンシアでは、ホテルの部屋に入れるズンビーニを探すパズルである。このパズルでは、ある共通する要素を持ったズンビーニのみが部屋に入ることができる。
下記画像での正解は「鼻の色」である。
泥玉の壁は「色」と「記号」の正しい組み合わせの対応を探すパズルである。
発射ボタンを押すと「色」と「組み合わせ」に対応する場所にそれが発射される。例えば下記画像では赤は1列目、黄色は2列目、青は5列目となっており、星が2段目、四角が3段目、三角が5段目となっている。そして壁に刻まれている丸の場所を当てるとその数だけ正解ゾーンに登ることができる。
これは表の対応を探すパズルで、上記画像であれば対応は以下のようになる。
未確定な場所はいくつかあるが、A3は赤の四角で確定しているので、まずはこれを埋めていくと手数が無駄にならない。
次に狙うのは赤か黄色の列を選び、丸またはひし形の段を確定していくことになる。
正しい順番でズンビーニを並べるソートパズル。
上記画像は足のパーツを、「ばね」→「車輪」→「スニーカー」→「プロペラ」→「ローラーブレード」の順で並べるのが正解となる。
ミラーマシンは特徴の一致するズンビーニを提示するパズルである。
マッチする対象が存在しない場合は、別のリストに入れ変わることで詰みにならないようになっている。
バブルワンダー・アビスは経路探索と条件式のパズルである。ズンビーニを矢印ボタンの上に配置してその方向に進むことができる。途中にはパーツによる条件がありパーツが一致するとその方向に進むことになる。またトグルで方向が切り替わるタイルも存在する。
繰り返し遊べるための設計
ズンビーニズは移住を目的としたゲームであり、手数が増えるほどズンビーニが脱落してしまうため、最短手順で解答できるほど効率良くズンビーニを移住させることができる。またこれは繰り返しプレイのために設計されたメカニクスでもある。
ズンビーニは解答が自動生成される。例えば以下の画像は「アレルギーの谷」を通過したものだが、髪型ではなく足(靴)で判断されており、手前が「ローラー」と「プロペラ」といった複数の条件が設定されている。
このようにズンビーニは、解答がランダムであり、難易度によって問題の難しさが自動で変化し、パズルでありながらもリプレイバリューを高くすることに成功している。