概要
各プレイヤーに一定の順序で手番(ターン)が回ってくると行動可能となるゲームシステム。
メモ
ターン制は、リアルタイム制と比べ、一回の行動の重みが大きいため、一つの行動により複数の問題が解消される、または選択可能なそれぞれの行動に異なった効果が得られるものが好ましい
メモ:気になるターンベースのRPGのリスト
- 真・女神転生V
- XCOM
- オクトパストラベラー
- ブレイブリーデフォルト
- ダンジョンエンカウンターズ
- Child of Light
- Divinity: Original Sin 2
How Do You Improve Turn Based Combat?
「How Do You Improve Turn Based Combat? (ターン制のバトルをどのように改善するのか?) 」という動画があったので、その内容のまとめ。
ターン制のバトルとは?
プレイヤーと敵が完全に止まった状態で、ターンが回ったキャラクターが動いて交互に殴りあうゲーム。「計画」と「戦略」の複雑さを持っており、取りうる選択肢から可能性を検討して適切な行動を選択する面白さがある。
しかしターン制のバトルを持ったゲームは、リアルタイムのゲームに比べて「(ゲームメカニクスを成立させるために)ルールが複雑」になりやすく、万人受けせずややニッチなジャンルになりやすいというデメリットがある。
ターン制バトルの問題点1: Waiting (テンポが遅い)
ターン制バトルの問題点の1つは、入力してから「何かが起こるのを待つ時間」が長いこと。以下、長くなりがちなポイントをリストアップ。
- 戦闘開始演出:エンカウント演出や敵の出現演出。必要なリソースを読み込むロード時間など
- キャラクターの行動演出:プレイヤーや敵の行動開始演出。攻撃アニメーション。テキストなど
- その他の演出:特殊スキル演出、敵を倒した演出、逃走演出、メニューの入場退場演出、勝利・敗北演出など
ポケットモンスターはシリーズ全般を通して戦闘のテンポが悪いが、最も悪いのがポケットモンスター ダイヤモンド・パール」。
- 戦闘への移行
- 戦闘開始テキスト
- メニューの操作
- 攻撃アニメーション
- 攻撃ヒット演出
- 体力ゲージの減少などのステータスエフェクト
- すべてのテキストの確認
「ポケットモンスター ソード・シールド」にはバトルアニメーションをOFFにする「高速化モード」があるものの、ゲームの魅力を著しく低下させるため、根本的な解決となっていない。
戦闘が長引いてしまうのが常に悪いわけではない。緊張感のある選択の連続が行われる場合は、戦闘が長いことそのものは悪くない。問題なのは「何かを待っている時間」を長くすること。
範囲攻撃によるエフェクトなど、同時再生できないかどうかを検討する。特に連続攻撃であれば、ヒット演出のみを連続再生することで高速化が可能。
全員のコマンドを入力して、すべてのアニメーションが再生されるのを待つ形式ではなく、手番が回ってきたキャラクターのみを操作する ATB / CTB を採用すると、体感的な待ち時間を減らすことができる
アニメーション再生中にミニゲームやQTEを入れ、成功すると攻撃や防御がブーストされる仕組みを入れる。(スーパーマリオRPG、ファイナルファンタジー6、龍が如く7 光と闇の行方など)。
ただしこの方法は同じことの繰り返しとなる可能性があるので、あまり代わり映えしない場合には繰り返し行わない方が良い。
Undertaleのように、敵ごとに異なる弾幕を回避するゲームであれば良いのかもしれない。
ターン制ゲームで最も繰り返し行う操作が「コマンドリストからコマンドを選択」すること。この時間をわずかでも減らすことで高速化を実現できる。
例えばペルソナ5では、各サブメニューへ入るためのショートカットキーが用意されていて、高速で目的の項目へアクセスできるようになっている。
またメニューの階層移動は一瞬で行われ、待ち時間を最小限に減らしている。
決定ボタンなどで演出をスキップできるようにしても良いかもしれない。
ターン制バトルの問題点2: The Turn Economy (単純な戦闘になりやすい)
ターン制バトルは、戦略が固定化すると単純で退屈(予測可能で同じことの繰り返し)になりやすい。
それを崩すには戦闘の流れを変えるシステムが必要となる
- バフやデバフ:行動順の入れ替え、睡眠や麻痺などでターンを止めたりする
- プレスターン:弱点を突くことで相手のターンをスキップ、自分のターンを増やす
- Brave and Default:デフォルト (防御) でターンを増やすことができる。またターンの前借りも可能(最大±4ターンまで。マイナスの場合は行動不可となる)
- タイムライン:ATB / CTBの発展型。グランディアや Child of Light で採用されている
ターン制バトルの問題点3: The Grind (レベル上げ)
ターン制バトルの報酬として「XP (経験値)」や「アイテム」「装備」などを獲得できるが、それらが適切な報酬であるとは必ずしもそうとは言えない。というのも XP であればレベルアップには何度か戦闘を繰り返す必要があり、もらえるアイテムも有益なものである確率は低いことが多い。そして、ストーリーを進めたり、スキルをアンロックするには長い時間が必要となる。
この問題はアクションRPGなどのリアルタイムゲームでも発生しやすいが、アクションの楽しさにより軽減されることが多い。ターン制バトルの面白さは「ストラテジー要素」に依存するものなので、退屈な戦闘が続けば飽きてしまうのだ。
ファイナルファンタジー5 では、戦闘勝利時に経験値だけでなくジョブレベルを上げる ABP を獲得することができる。どのジョブを強化するのはプレイヤーの自由で、それにより新しいスキルを得たり、スキル同士を組み合わせてより強力な組み合わせを見つける面白さが得られる。ジョブレベルの成長速度は様々で小さなアンロックが細かく繰り返され、そのたびにゲームプレイに変化が生まれることとなる。
これはストラテジーゲームでも同じようなことが見られる。各キャラクターの成長速度が様々で、キャラクターの構成について考える楽しさが得られる。
- 「レベルアップ」は Grind を解決する唯一のツールではない
- 「コレクション要素」もまた Grind を解決するツールとしては弱い
真・女神転生シリーズでは、敵との会話を通じて味方(仲魔)にすることができる。そして交渉に失敗した場合はリスクの高い戦闘となるため、緊張感のあるバトルが行われることとなる。
ファイアーエムブレム 風花雪月では、キャラクター同士の連携レベルの強化(バトルや会話)により戦闘を有利に進めることが可能となるシステムが採用されている。さらに連携レベルによってストーリのルート分岐が発生するようになっている。
ファイナルファンタジー8 では、プレイヤーレベルが上がると敵も強化される。ただ手詰まりになったときの救済要素として「ジャンクション」により、「召喚獣」や「魔法」を装備してプレイヤーを強化することができる。
クロノクロスでは、「レベルスター・システム (キャラクターのレベルを強化するスターに上限がある)」により、常に緊張感のあるバトルとなる。さらに戦闘はすべて逃走可能。
ディスガイアシリーズでは、シナリオ進行とは別にキャラクター強化の場が用意されており、どこまでもキャラクターを育成することが可能となっている。