Deck-building game (デッキ構築型ゲーム)

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カテゴリー: ジャンル

概要

デッキ構築型ゲームとは、ゲーム開始時に配られた小さくて弱いデッキを強化していくことで、ゲームを有利に進めていくカードゲームである。

もともと「ドミニオン」などアナログゲームで確立されたゲームメカニクスであるが、ここではデジタルゲームにおけるデッキ構築型ゲームについて記述する。

デジタルゲームにおけるデッキ構築型ゲーム

Slay the Spire が生まれるまでの経緯

デジタルゲームにおけるデッキ構築型ゲームの始まりは、Slay the Spire とされている。

Slay the Spire (出典: Steam)

開発者へのインタビュー記事によると、 Roguelike (ローグライクゲーム) である 「スペランキー」や「FTL」や「Binding of Issac」そして「Dream Quest」などの影響を受け、Turn-based (ターン制) のコマンドバトルRPG風を導入したとのこと。

Anthony氏は、影響を受けた具体的なタイトルについて「デッキビルディングでは『アセンション』、『ドミニオン』。ローグライクでは、『スペランキー』『FTL』『Binding of Issac』。またこの2つのジャンルの融合としては『Dream Quest』」と挙げている。

傑作インディーゲーム『Slay the Spire』開発者に訊く。影響を受けた具体的なタイトルについて

 「プレイの度にゼロから始めるローグライクは、同じくプレイ毎にデッキをゼロから構築していくデッキビルディングとの親和性が高いんです。プレイ毎に体験が異なるこの2つの要素により、ゲーム体験はより多様なものになります。他のジャンルでは、ここまでの多様性が自然に発生することはないでしょう。先に述べたタイトルの中では唯一、『Dream Quest』がその要素を持っていたわけです」

傑作インディーゲーム『Slay the Spire』開発者に訊く。なぜこの2つのジャンルを素材としたのか

フロントローディングとスケーリング

デッキ構築型ゲームでは、カードの効果が Front Loading (フロントローディング) か Scaling (スケーリング) のどちらかの特性を持っているかで分類する方法がある。

  • フロントローディング:効果が即座に得られる。ただし効果はそのターンのみなど限定的。カード1枚で強い
  • スケーリング:強化カード。ターンが経過するほど効果を発揮したり、複数のカードを組み合わせることでシナジーを発揮するもの

フロントローディングの特徴

1枚できっちり仕事をしてくれるカード。

  • コストは高いが攻撃力が高いカード
  • AoE (範囲攻撃) をするアタックカード
  • コストは高いがガード値が高いカード

スケーリングの特徴

プレイヤーを強化するカード。強化することでシナジーが得られるカード。

  • 一時的・永続的な強化カード
  • 筋力や敏捷を上げるカード(縦のスケール)
  • エナジーやドローリソースを持つカード(横のスケール)

縦のスケールと横のスケール

縦のスケールは、カード1枚の質を上げることを目的としたスケーリング。例えば筋力が上昇するカードはアタック1枚の価値を上げることができる。

それに対して横のスケールは、行動回数(エナジーやカード枚数)を増やすためのスケーリングとなる。

敵のバランスをフロントローディングとスケーリングで測る

デッキ構築型ゲームにおけるゲーム進行に対するバランス調整は、序盤では「攻撃のフロントローディング(FL)」を要求し、交換に進むにつれて「防御のフロントローディング」「攻撃と防御のスケーリング(S)」を重視するバランスにすると良い。

ゲーム進行攻撃のFL防御のFL攻撃のS防御のS
序盤
中盤
終盤ほぼ不要
出典: [Slay the Spire] スレスパの常識?基本? フロントロードとスケーリングについて [脱初心者] [攻略]

参考

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