今回は、ゲームコンテストに参加して開発力を上げる、というテーマの記事となります。
目次
なぜゲームコンテストに参加するのか?
理由は以下の4つです。
まず、コンテストには期日が設定されており、それを守らないと参加することができません。
そのためその締め切りを守るために、なんとしてでも完成させるように開発をすることになります。
ゲーム開発にはこの「締め切りを設定する」ということが重要で、締め切りがないまま開発を進めるといつまでも完成しなくなります。
特に個人ゲーム開発には締め切りがなくズルズルと開発を続けてしまいがちですので、明確な締め切りがあるゲームコンテストに参加することでゲームを完成させる力がアップできます。
次に、多くの人に見られる、ということです。
ひっそりと無料ゲームとして公開しても、よほど面白いゲームでもない限りプレイしてくれる人はほとんどいません。
ですが、コンテストに参加すると審査員の方や、多くの一般ユーザーの目に触れることになって中途半端なものは作れないというプレッシャーから、少しでもクオリティをアップしようと頑張ることになります。
また、少しでも上位に入れるように努力をすることとなります。
それにより、必然的にゲームのクオリティを上げることができます。
上位入賞すると賞金や景品がもらえますが、ゲーム開発者としてのキャリアを長期的に見た場合、重要なのは「評価・実績」と「知名度」を得られるということです。
多くの人に認められるのは今後ゲームを作っていくモチベーションにもつながります。
また、「評価・実績」は将来ゲーム会社に就職するのが目標であればアピール材料となりますし、個人制作でゲームを売っていく場合でも「知名度」があれば見込み客を増やすことができます。
コンテストに参加したライバルの作品を見ることで、何が評価されやすいのかを知ることができます。
ゲームを作っていると、どうしても自分のゲームに意識が集中してしまいます。確かに集中することは大切なのですが、何が面白いのかわからなくなったときなど、行き詰まりを感じたときには視野を広くすることも大切です。
コンテストで色々な作品に触れることで、そういった感性が養えるのではないかと思います。
で、でもコンテスト参加なんてまだ早い……
ご安心ください。ゲーム制作初心者でも参加しやすいコンテストがあります
以下、ゲーム制作初心者でも参加しやすいコンテストを紹介します。
コンテストの種類
ニコニコ自作ゲームフェス
ニコニコ自作ゲームフェスはニコニコ動画主催のゲームコンテストです。
「アマチュアゲームクリエイターを全力で応援する」というコンセプトがあり、日本でのアマチュアゲーム開発者の登竜門と言えるのではないかと思います。
RPGツクールでの参加作品が多いですが、それ以外のゲーム開発ツールでの参加も可能です。
- ニコニコ自作ゲームフェス2021 (2021.8.31 で受付終了)
コンテストに年がついていることから、開催間隔は「1年ごと」と思われます。
また夏休みの終了とともに受付終了となるようです。
ティラノゲームフェス
ADV・ノベルゲームに特化したゲームコンテストです。ティラノビルダーまたはティラノスクリプトを使用することが参加条件となります。
コンセプトとしては「コンテストとして競うというより、みんなで作品を持ち寄って楽しんで輪が広がる、お祭り会場みたいな場所を目指しています」
とある通り、ゲームを遊ぶことで「ダイヤ玉」を集めて景品がもらえる仕組みが用意されており、多くの人に遊んでもらえるような仕組みが用意されているのが特徴です。
- フェス参加作品で遊ぶ!
- 作品の感想を書く!
- 「ダイヤ玉」を集めて豪華景品をGET!
- ティラノゲームフェス2021(終了)
- 開催期間: 2021.4〜2021.8.31
こちらもコンテストに年がついていることから、開催間隔は「1年ごと」と思われ、夏休みの終了とともに受付終了となるようです。
PLiCyゲームコンテスト
PLiCy ゲームコンテストはゲームを作ってみたい人、作ったゲームをいろんな人に遊んでもらいたい人、いろんなゲームを遊んでみたい人の交流を深めるためのイベントです。
PLiCy ゲームコンテストって?
こちらのコンセプトにあるように、PLiCyゲームコンテストはゲームを作る人と遊ぶ人とで交流してもらうことが目的のコンテストとなります。
- PLiCyゲームコンテスト2020 (終了)
- 開催日: 2021.3.31〜2021.5.31
こちらも年1回行われ、冬〜春あたりに開催されるようです。
Unity 1 Week
Unityを使ってお題に沿って1週間でゲームを作るイベントで、必然的に小さなゲームとなるため参加しやすいです。ただUnityを使うことが必須条件となります。(作成したゲームは unityroom にアップロードします)
- Unity1週間ゲームジャム (終了)
- 開催日: 2021.9.6〜2021.9.12
過去の開催傾向を見ると、2〜3ヶ月ごとに行われているようですので、そろそろ行われるかもしれません。
UE4ぷちコン
「株式会社ヒストリア」主催のUE4を使用したゲームコンテストです。
UE4ぷちコンとは、株式会社ヒストリアが主催するUnreal Engine 4を学習する事を目的とした、ゲーム制作中心の作品制作コンテストです。
UE4を触ったことがない方でも気軽に勉強できる機会を作りたいという思いから「2、3日でサクッと作ってサクッと応募」をコンセプトに定期開催しております。
参加者は短期間(約1か月半)でテーマに沿った作品を制作・投稿し、入賞を目指します。本コンテストは学習目的なのでプロもアマチュアも関係ありません!
ぷちコンに応募してUE4を覚えちゃいましょう!
※UE5での応募も勿論OKです!
Unreal Engine 4 の作品コンテスト UE4ぷちコンについて
- 第16回UE4ぷちコン (終了)
- 開催日: 2021.8.5~2021.9.12
こちらも開催期間が1ヶ月と短く、小規模ゲームが中心となります。
開催傾向を見ると、「夏休み」「冬休み」「春休み」あたりに行っているようです。
なので、そろそろ開催が行われるかもしれません。
WOLF RPGエディターコンテスト
参加には「WOLF RPGエディター」が必須で、WOLF RPGエディターを使っている人なら誰でも知っているコンテストなので、説明不要な気がしますが、念のための紹介となります。
ウディタ製のゲームを競う、年一回開催のコンテストです。
本コンテストは皆さまからの一般投票のみで審査されます。
WOLF RPGエディターコンテスト(ウディコン)とは?
新人フリーゲームコンテスト
フリーゲームの老舗サイト「ふりーむ!」が行うゲームコンテストです。
「ゲームを作ったことのない方に、もっとゲーム制作の機会を提供したい。」
「制作ゲームの受賞歴がない方にも、もっとその作品の良さ・素晴らしさを認めて、多くの人に知ってもらう機会を提供したい。」
新人フリコンとは?
次回応募期間が 2021.11.1〜2021.12.31 となっており、もうすぐ参加が可能(2021.10.27 現在)となるコンテストです。
開催間隔は 3ヶ月に1回行われそうな印象です。
あほげー
1週間でお題に沿って「あほ」なゲームを作る……というなかなかユニークなコンテストです。テーマがテーマなだけに、今回紹介したコンテストの中でも最も参加しやすそうな気がします。(ただし真面目なゲームを作りたい人には難しいかもしれません)
24時間でお題に沿った”あほな”ゲームを作るゲームジャムです。技術ではなく、あほさを競います。
お題発表、ゲーム制作、作品紹介プレイ&優勝者発表放送(インターネット配信)までを3日間で行います。
あほげー ルールなど
24時間で完成させなければいけないので「スピード勝負?」と思いきや、公式のTwitterによると半数ぐらいが締め切り後にゲームを投稿しているらしく、次回のコンテスト開催まで参加できてしまうシステムのようです。
ただ、作品プレイ放送への締め切りは設定されている(おおよそ1日半?)ので、それに間に合った場合のみ審査対象となります。そして優勝すると「あほ」の称号がもらえます。
コンテストに参加する作品の注意点
コンテストと言うよりは、今までゲームを一般公開したことがない人向けの話となりますが、多くの人にゲームをプレイしてもらうためには「遊びやすさ」をしっかり考える必要があります。
こちらの動画「評価されにくいフリーゲームの特徴ランキング【ゲーム制作初心者向け】」が参考になるので紹介します。
この動画の趣旨を簡単にまとめると、「評価されにくいフリーゲームの特徴」は以下と定義しています。
- バグが多い
- ストーリーがわかりにくい
- True Endにたどり着けない
- 操作がわかりにくい
- 難しすぎる
そして解決法は1つに集約されます
- テストプレイを入念に行う。テストプレイしてもらう
まず、ゲームの難易度について私なりの意見を書くと、一人でゲームを作っていると、開発者自身はそのゲームを知り尽くしているので、「開発者自身でもクリアが難しいゲームバランス」に調整しがちです。そのため、そのゲームをまったく知らない人にプレイしてもらうと難しすぎてクリアできなかった……などということがよくあります。
このあたりについては、自分のゲームの要素を分析して、障害の配置バランスを見直す、チュートリアルをしっかり入れる……などが大事なのですが、初心者には気づきにくいポイントであり結構難しいことだと思います。
そのため、解決法で提示している通り、「テストプレイをしてもらう」ことで第三者の意見をもらうのが良いように思います。
こちらの動画のとおり「友人」や「知人」に遊んでもらうのが良いと思います。ネット上でゲームを公開しても、無名の開発者が意見をもらうのは難しいので、確実に意見をもらえる「友人」や「知人」にプレイしてもらうのが良いです。またネット上で意見をもらうと、まれにかなり厳しめの指摘を受けてメンタル面で大きなダメージを受けることもあります。その点、顔見知りの知人であれば、辛辣な意見をもらうことはほとんどないはずです。
また可能であれば、「ゲームを作っている仲間」を見つけて、そういった人が意見をもらうのがベストです。というのも、「同じ開発者目線」からもらう意見はゲーム開発に詳しくない人よりも的確な意見をもらえることが多いからです。(※ただし、そのゲームを遊んでほしい人が「ゲームに詳しくない人」の場合は、一般人から意見をもらった方が良いケースもあります)
コンテスト参加後の注意点
な、なんとか締め切りに間に合った〜
コンテストは参加するだけで満足してはいけません。完成後は他の作品をチェックしましょう
ううう…。上位入賞できなかった…
終わったことを悔やんでも仕方ありません。審査結果よりも、何を得られたかに注目しましょう
最後に、それぞれのコンテストの傾向をまとめておきますね
コンテスト名 | 概要 | 開催日の傾向 | 参加条件 |
---|---|---|---|
ニコニコ自作ゲームフェス | ニコニコ動画主催のゲームコンテスト | 年1回。夏休みの終わりが締め切り | 誰でも参加可能 |
ティラノゲームフェス | ADV・ノベルに特化したゲームコンテスト | 年1回。夏休みの終わりが締め切り | ティラノビルダー・ティラノスクリプト |
PLiCyゲームコンテスト | ブラウザ・スマートフォンでフリーゲームが遊べるPLiCy主催のゲームコンテスト | 年1回行われ、冬〜春あたりに開催される様子 | PLiCyが対応している開発ツール |
Unity 1 Week | Unityを使って1週間でお題に沿ったゲームを作るコンテスト | 2〜3ヶ月ごと | Unity |
UE4ぷちコン | ヒストリア主催のコンテスト | 「夏休み」「冬休み」「春休み」あたり | Unreal Engine |
WOLF RPGエディターコンテスト | WOLF RPGエディターを使ったゲームコンテスト | 年1回 | WOLF RPGエディター |
新人フリーゲームコンテスト | フリーゲームの老舗サイト「ふりーむ!」が行うゲームコンテスト | 3ヶ月に1回行われそうな印象 | 誰でも参加可能 |
あほげー | 「あほさ」を競うゲームコンテスト | 半年に1回ほど開催される? | 誰でもいつでも参加可能 |
この記事の内容を動画にしたものです
この記事では初心者向けコンテストを紹介したのですが、それでも参加を躊躇してしまうかもしれません。
以下の記事では、ゲーム制作初心者向けのゲーム20選を紹介しています。こういったゲームをベースに自分なりのアレンジを加えたゲームでコンテストに参加してみるのも良いかもしれません。
初心者が作ると勉強になるゲーム20選Unity 1 Week や UE4ぷちコン、あほげーなどは、短い期間でお題に沿ってゲームを作るコンテストで、ゲームジャムと呼ばれるものです。一人ゲームジャムとも言える「Game A Week」について以下の記事で解説しています。
Game A Weekの定義まとめ良いゲームバランスを作る自信がない場合は、以下の記事が参考になるかもしれません。
レベルデザイン概論