高難易度ゲームを作るメリットと面白くする方法

今回は高難易度ゲームを作るメリットと、高難度ゲームを面白くする方法について書いていきます。

なぜ高難易度ゲームを作るのか

高難易度ゲームと言えば、一昔前は「クソゲー」の代名詞で遊ぶ価値のないゲームとされていました。

ですが、10年ほど前から『Demon’s Souls』や『Super Meat Boy』、『I WANNA BE THE GUY』など死んで覚えるゲーム高難易度ゲームが流行り始めました。流行った理由としては当時ゲームがプレイヤーに優しくなりすぎていたため、昔のような高難易度のチャレンジングなゲームが求められていたようです。

現在でも『Celeste』『Bloodborne』『DARK SOULS』『Dead Cells』『Cuphead』『SEKIRO』など、高難易度ゲームが評価されています。(カジュアルゲームですが『フラッピーバード』も高難易度で話題となりました)

ということで、高難易度ゲームは、一定の需要がある人気ジャンルとなっています。

また高難易度ゲームは現代では「実況プレイ動画」向きのジャンルであり、拡散されやすいゲーム性があり、プレスリリースでも「高難易度ゲーム」を売りにしたマーケティングを行いやすいです。

  • 高難易度ゲームは一定の需要があり「ゲームの売りにしやすい」
  • 高難易度ゲームは「実況されやすい」

また、高難易度ゲームは、制作者でも手応えのあるゲームとなりやすいので、楽しんで作ることができるというメリットもあります。

  • 高難易度ゲームは、作っていて楽しい

(※ただ、ゲームが苦手な人にはクリアが難しくデバッグ作業が大変かもしれない、というデメリットはあります)

もちろんゲームに詳しくない人をターゲットにする場合、もしくはカジュアルゲームを作る場合は、難易度を低くしたほうが収益性が高いようですが、ゲームに詳しいハードコアゲーマーをターゲットにした場合には、手応えがあり、やり込みがいのある「高難易度」という選択肢も取りうる、ということとなります。

  • 高難易度ゲームは、手応えのあるチャレンジを求めるハードコアゲーマーに受け入れられやすい

さらに高難易度ゲームは「ゲームクリアまでの時間を長くする」という効果があるため、難易度が抑えられたゲームよりも「ゲームの商品としての寿命」を長くすることができます。ゲームとしてのボリューム不足が問題となる場合には「高難易度」のチャレンジを入れることで、その弱点を軽減させることができます。

  • 高難易度ゲームは「ゲームの寿命を伸ばす」ことができる

難易度を上げる以外のゲームの寿命を伸ばす方法については、以下の記事にまとめました。

ゲームの寿命を延ばす7つの方法 ゲームの寿命を延ばす7つの方法

高難易度ゲームを面白くする方法

高難易度ゲームを作るときの問題点として、単に難しいだけでは面白いゲームにはなりません。昔の高難易度ゲーム、例えば『ロックマン』『忍者龍剣伝』『魔界村』『グラディウスⅢ』で遊んでも、たいていの人にとっては面白くないゲームであると思います。理由は「不親切」で「理不尽」「操作方法や攻略方法がわかりにくい」からです。

それに対して、現代の評価される高難易度ゲームは「わかりやすい」「遊びやすい」「親切さ」があります

例えば『I WANNA BE THE GUY』に代表される即死アクションゲームは、理不尽な即死トラップが大量に配置されていますが、

  • リトライが高速でできる
  • リスポーンするためのチェックポイントが細かく配置されている
  • キャラクターの操作にクセがない(慣性があまりない)

など、遊びやすくするための工夫がされています。

また同じく高難易度アクションゲーム『Celeste』はクリアしやすくするためのレベルデザインや、「コヨーテタイム」「ジャンプバッファリング」などキャラクターを操作しやすくする工夫がされています。

例えば、難しいアクションが必要なエリアは、攻略方法が簡単にわかるようにしています。そうしないと、「できなさそう」だと思ってしまいますからね。逆に、簡単なエリアを難しそうに見せて、「できた!」という達成感を味わってもらえるようにもしています。

「Hello! インディー」第4回 開発者が語る『Celeste』の秘密

操作性についても細かな工夫をしていて、キャラクターが進んでいて地面がなくなった直後にジャンプボタンを押しても、ジャンプできるようにしてあります。

そうすることで、プレイヤーに「思い通りに操作できた」と感じてもらえるんですよ。この「本当は落ちてるんだけどジャンプできる少しの間」のことは「コヨーテタイム」と呼ばれています。アニメで、コヨーテなどのキャラクターが走って崖から飛び出したとき、しばらく空中に浮いてから落ちるシーンがありますよね。あの間のことです。

こういったハードコアなゲームって、プレイヤーが挫折しやすいと思っています。なので、そうなってしまわないような工夫を凝らしています。

「Hello! インディー」第4回 開発者が語る『Celeste』の秘密

2- Jump buffering. If you press and hold the jump button a short time before landing, you will jump on the exact frame that you land.

2-ジャンプバッファリング。着陸する前にジャンプボタンを少し押し続けると、着陸した正確なフレームにジャンプします。

https://twitter.com/MaddyThorson/status/1238338575545978880

面白い高難易度ゲームを作るには、できるだけプレイヤーが理不尽に感じないように「遊びやすい操作性にする」というのが1つの答えになりそうです。

また何をすればよいのかをわかりやすくして、ただしチャレンジは難しくする、というバランス感覚が大切となりそうです。

高難易度ゲーとクソゲーの違い

こちらの動画で、高難易度のゲームを面白くする方法が紹介されています。

  • 1. ルールに一貫性を持たせて、プレイヤーをだまし討ち・不意打ちで殺さない
  • 2. 納得のいく選択肢を用意する。結果を全く予想できない選択肢を用意しない
  • 3. 不意打ちで殺してやり直しに長い時間かかるのは苦痛。即死ゲームを作る場合はリトライを早くできるようにすること

高難易度のゲームはそれだけで評価を下げやすいですが、理不尽さを減らしつつ、極端でないゲームバランスを狙うことができれば、「緊張感」と「安心感」の間を揺れ動かし、ゲームクリア時の「達成感」を高めることができます。

高難易度ゲームの作り方

高難易度ゲームの分類と特徴をまとめておきます。

分類・ジャンル

高難易度のゲームのジャンルとしては以下のものが考えられます。

  • ミニゲーム:Super Hexagon、Flappy Bird
  • ジャンプアクション:魔界村、I Wanna Be the Guy、VVVVVV
  • ステージクリア型: Super Meat Boy、Hotline Miami、超執刀 カドゥケウス
  • 探索アクション: トゥームレイダー、西暦1999 ファラオの復活、ダークソウル
  • 縦スクロールシューティング: たいてい2週目は難しい
  • 横スクロールシューティング: グラディウスⅢ、グラディウスⅤ (255週目)
  • パズルアクション: チャンピオンシップロードランナー、キャサリン
  • アドベンチャー: シャドウゲイト、MYST、Riven
  • RPGウィザードリィ、ドラゴンクエストⅡ、PermaDeathのローグライク
  • クソゲー: マインドシーカー、実写版ガンダム、デスクリムゾン

特徴

難しいゲームの特徴としては以下のものが考えられます。

  • 高い “反応速度” “入力精度”を要求する: 針の穴を通すような集中力が求められる
  • 高い “記憶力”を要求する: 正解を記憶してその通りに入力できないとゲームオーバー
  • 集中力の持続” が必要: 長時間集中してその間失敗は許されない。失敗すると最初からやり直し
  • 失敗に対する “ペナルティが大きい” : 失敗するとキャラロスト。失敗するとステージの最初からやり直しもしくは最初からやり直し
  • ヒントが少ない: 説明が少なく、何を課題にしているのかがわからない。調査エリアが広く、手がかりを見つけるためにはあらゆるところを調べなればいけない
  • 複雑な謎解き” を要求する: 手順が複雑で覚えきれない。試行錯誤するにもパターンが多すぎて総当たりできない。推測で答えにたどり着けない
  • 選択による結果が予測できない: 選択肢の結果がわかりにくい。もしくは推測できない
  • 結果が完全にランダム: 運が良くないと先に進むことができない

高難易度にする方法としては、まず「クリア判定」を厳しい基準にすることです。例えば制限時間を短くしたり、ギリギリの場所から飛び移らないと先に進めないようにすることです。適切な厳しさはゲームに「緊張感」を生み出します。

次に「複雑」にします。入力ボタンを多くして操作方法を複雑にする、物理運動を激しくする(重力を大きくする、慣性を強くする、直感的でない操作方法にする)です。例えば、バイオハザードの操作方法のように「ラジコン」タイプにすると、それだけでもプレイヤーを混乱させることができます。バイオハザードのうまいところは、ラジコン操作を採用したことで、ゾンビが突然現れてプレイヤーがパニック状態になると、より間違った操作をしてさらなる窮地に追い込まれるようにしたことです。スーパーマリオブラザーズは、マリオに操作しづらい強い慣性を適用したことでアクションの上達を味わえるようにしました。

セーブポイント、チェックポイントをあえて広めにとって「失敗したらやり直しとなってしまう」という「不安」を与えます。不安を与えつつもプレイヤーをうまく殺さないような調整ができれば、プレイヤーに不安をくぐり抜けた安心感と達成感を与えることができます。

「即死」要素は、ゲームがプレイヤーを本気で殺しにきているという意思表示です。あえて「初見殺し(知らないと死ぬ要素)」を入れることで、プレイヤーに緊張感を与えることができます。ただし、初見殺しをする前にセーブポイントを用意するなど、理不尽さを減らす努力は必要です。

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