今回はWhat Is the Lock and Key Design Pattern?という記事を個人的にまとめたものとなります。
目次
ロック&キーパズルの使い方
ロック&キーパズルとは
ロック&キーパズルとは、プレイヤーの進行を妨げる「ロック」とそれを解除する「キー」の組み合わせで構成されるパズルとなります。これは脱出ゲームのような謎解きパズルが当てはまることもありますし、 Metroidvania (メトロイドヴァニア) に特定スキルより新しい場所に行くことができる、という場合にも当てはまります。
ロック | → | キー | 補足 |
---|---|---|---|
高い場所 | → | Double Jump (2段ジャンプ) | 特別なブーツなどで 2段ジャンプできるようになる、など |
亀裂の ある壁 | → | 爆弾 | |
海 | → | 潜水服 シュノーケル | 水深20mを超えるような場所まで 潜れるようになる |
警備員 | → | カリスマ | オープンワールド系のRPGは 特定のパラメータの上昇を持って 交渉可能となるケースが多い。 JRPGであれば、 単に会話フラグやお使いイベントなど |
海や山 | → | 船や飛行船 | 古典的JRPGで数多く採用された |
スキル | → | レベル | レベルアップにより 新しいスキルが開放される |
ロック&キーパズルの一般的な用途
ロック&キーパズルの一般的な使われ方について、例をあげて説明します。
ロック&キーパズルは、プレイヤーの行動を導くのに有効となるメカニクスです。例えばAからBに進行するためにキー「X」を使わなければならない、とします。
そうすると、キー「X」の使い方や効果を理解するまでプレイヤーの行動は足止めされます。これによりプレイヤーはキー「X」の使い方を強制的に学習させることができます。
主にJRPGではシナリオの都合上で進行をロックして先に進めないようにすることがよくあります(人助けイベントをクリアすると新しい仲間が加入するなど)。これはこれで、シナリオを作りやすいというメリットがあります。ただし、この方法は不自由なゲームプレイとなりがちなので、プレイヤーを納得させるだけの理由付けをイベントで説明したり、ある程度自由に依頼を受けられるようにした方が良いかもしれません。
ボスを倒したときなどに得られる特殊なキーアイテム(特殊なポイントなど)によりスキルをアンロックできる場合、キーアイテムは大きな報酬となります。
さらに可能であれば、アンロック可能なスキルはプレイヤーが自由に選択できると良いかもしれません。
考慮すべきポイント
ロック&キーパズルを導入するときに考慮すべきポイントを以下に記述します。
キーを探させる前に、アンロックにより得られる報酬を明示的にしてプレイヤーのモチベーションを上げます。効果がわかりにくいスキルであれば選択の失敗のリスクを減らすために払い戻しや下取りができると良いのかもしれません。
プレイヤーを圧倒するほどのロック要素を提示するべきではありません。情報量が多いとプレイヤーを混乱させますし、多すぎる選択肢は悩むのが面倒になって、どれを選んで良いかわからなくなるからです。
多くの情報をまとめて開示するのではなく、徐々に提示することで目標を決めやすくなります。
毎回カギを探すだけのロックは飽きられるので、様々な方向性のロックを用意します。
例えば、特定の敵を倒すとキーをドロップする、または特殊な攻撃で敵を倒すとキーをドロップする、もしくは会話による交渉でキーを入手する、パズルを解く、などなど…。他にも特定スキルを使わないなど「縛りプレイ」や「入手難易度」で変化をつけるのも良いと思います。
使い捨てのキーにするのではなく、別の用途で使用可能なキーとすることが望ましいです。
ゼルダシリーズでは、キーアイテムが複数のアンロックや別のキーアイテムとの組み合わせ対応していたり、攻撃の手段として使用できたりします。(例えば、爆弾は隠し通路を見つけるためのアイテムですが、攻撃アイテムとしても使うこともできます)
例えば Grappling hook (グラップリングフック) を正しく活用することで到達可能な地点を用意するなどです。グラップリングフックを使用中に、別の場所にグラップリングフックを引っ掛け、より遠くに移動する仕掛けなど、プレイヤースキルで新しい使い方を見つけられると良いです。
異なる色(青、黄、赤)のカギは、白いキー1つよりも面白いし、普通の爆弾と、効果がアップしたスーパー爆弾はより楽しくなります。
ただし、多すぎる色のカギや威力の段階が多すぎる爆弾などは、管理が大変なだけで楽しくないので増やし過ぎには注意です。