2023年時点で、Godot Engine がユーザーにどのような目的で使用されているのか、満足度はどのくらいなのか、というアンケートが行われていてその結果がまとめられていたので、気になる部分をまとめてみます。
目次
2023年 Godot Engineの世論調査
Godot Engineを使用する前に使用していたゲーム開発環境は?
一番多いのは「Unity」次に「Minecraft」のredstoneなど、「Game Maker」「Unreal Engine」「RPG Maker (RPGツクール)」という順番になっています。
Minecraftは意外でしたが、やはりもともと何らかのゲーム開発ツールを使っていた方が多いようです。また Godot Engine で初めてゲームプログラムをした方もそれなり (16.8%) にいるようです。
Godot Engineを仕事に使っているか?
多くの人が「趣味・副業」として使っているようです。次が「専業のインディーゲーム開発」ですね。おそらくですが、他のゲームエンジンも同じような比率と思われます。
Godot Engineで何を作っているのか?
一番多いのが「2Dゲーム開発」で、その次が「3Dゲーム開発」となっています。逆に「教育目的」としてはまだまだ使われていないようですね。
あなたができることは?
画像は一部の抜粋です。一番多いのが「プログラミング」で、次に「2Dアート」「ゲームデザイン」となっています。Godot Engineは2Dゲーム開発に強いので、ユーザー層も 2Dゲーム開発者が多いのかも知れません。それに対して「3Dアート」はやや少なめです。
どんなジャンルのゲームを作っているのか?
最も多いのが「2Dアクションゲーム (Classic platforming)」となっています。次が「RPG (Role-playing game)」、「Roguelike (ローグライクゲーム)」「Action-adventure game (アクション・アドベンチャーゲーム)」「FPS (First person shooter)」「Puzzle game (パズルゲーム)」となっています。
「Hyper-Casual game (ハイパーカジュアルゲーム)」は少なめで、ゲーマー向けなジャンルが多い印象です。
Godot Engineによるあなたの収入源は何ですか?
無収入を除いて一番多いのは「itch.io」で、次に「Steam」となっています。現状はデスクトップ向けが多く、モバイル向け(Google PlayerやApple App Store)はそれよりも少なくなっています。
作ったゲームを配信するプラットフォームとしてもデスクトップ向け(Windows / Linux)が多く、モバイル向けの Android や iOS は3割ほどの比率となっています。
最も使うプログラム言語は?
GDScriptが一番多く、8割以上となっています。C#も14.5%なのでそれなりに使われています。
アセットライブラリを使用しているか?
時々使うという人が最も多いですが、まったく使わないという人もかなりの数存在します。
私個人としても、アセットライブラリはほとんど使用せずに作っています。理由として外部のライブラリを入れるほど大きな作業をしていないのもありますし、Godot Engine (GDScriptや基本機能)が使いやすいので自作でもなんとかなるケースが多いためです。
ただ Godot Engineの開発・運営チームとしては、開発規模も大きくなってスタッフも増えてきたので資金源を増やしたいという流れもあります。
With the new Godot Foundation, it is expected that the Godot Project should be able to further diversify its funding, going into areas such as:
- Paid asset store (taking a percentage of sales).
- Merchandise.
These are still in the early planning phases as our priority until now has been to get the donation platform operational. To be clear, we do not anticipate that we will be able to sustain the project through the asset store and merchandise alone as we will intentionally operate them with very thin margins. We are a not-for-profit project first and foremost and we will not compromise that.
新しいゴドー財団では、ゴドープロジェクトは、次のような分野に資金をさらに多様化できることが期待されています。
- 有料アセットストア(売上の割合を取る)
- 商品
これまでの優先事項は寄付プラットフォームを運用することであったため、これらはまだ初期の計画段階にあります。明確にするために、私たちは意図的に非常に薄いマージンでそれらを運営するので、アセットストアと商品だけでプロジェクトを維持できるとは予想していません。私たちは何よりもまず非営利プロジェクトであり、それを優先しています。
Godot Funding Breakdown & Hiring Process > Diversification of funding source
その一環として、有料アセットの運営で資金源を得る…という方法も考えているみたいですが、基本的に非営利プロジェクト (寄付で成り立っている) なので、あまり優先するつもりはないとしています。
UnityやUnreal Engineのアセットストアと比較すると、Godot Engineのアセットストアはまだまだ物足りないところがあるのですが、有料で販売できるようになると必然的にアセットの質も上がると思うので、今後の動きに期待ですね…。
まとめ
- Godot Engine は他のゲームエンジン(ライブラリ)を使っていた経験のある人が使っている傾向がある
- 2Dゲーム開発者がやや多い
- デスクトップ向けのゲーマー向けなゲームを作っている人が多い
- GDScriptが最も使われている
- アセットストアはあまり使われていない