Asepriteの使い方メモ

Asepriteとは  

Windows & Mac OS X & Linux(Ubuntu) で動作する、スプライトアニメーション・ドット絵のエディタ

特徴  

  • Animation Tools: レイヤー、フレーム、オニオンスキン、連続したフレームの赤/青の色合い、ピンポン再生、リピート範囲を指定した再生、など
  • Pixel-art Tools: ブラシプレビュー、ピクセル完璧なトレース、スプライトの回転、タイルリングモード、輪郭&ポリゴンツール、ライブアニメーションプレビュー、パレットエディタ、など
  • Gamedev Tools: スプライトシートやテクスチャアトラスにアニメーションを保存。コマンドラインインターフェイス(CLI)を使用してアセットパイプラインにAsepriteを統合可能

基本的な使い方

日本語化する方法

メニューから「Preferences…」を選びます。

General” から “Language” の「Download Translations」を選びます。

すると Aseprite の日本語wiki の日本語データのダウンロードページが表示されるので、スクロールして最新のデータをダウンロードします。

ここでは v.1.3-beta4 のデータをダウンロードしました。

次に Aseprite の Preference 画面から “Extensions” の 「Add Extension」ボタンをクリックします。

ダウンロードフォルダなどに移動して先程ダウンロードしたファイルを指定します。

なお macOS だと自動で解凍されてしまうことがあるので、その場合は Finder から右クリックして圧縮します。

Languages の欄に “japanese” が追加されたことを確認します。

General から Language のドロップダウンを選ぶと “japanese“が追加されているのでこれを選び「OK」ボタンを押します。

これでメニュー項目が日本語化されました。

新規作成の手順

メニューから「File > New」を選びます。

新規作成画面が表示されるので、サイズなどを設定して「OK」ボタンで新規作成されます。サイズ以外は基本的にそのままで良いと思います。

カテゴリ項目名説明
SizeWidth画像の幅 (解像度)
Height画像の高さ (解像度)
Color ModeRGBARGBAカラーモード
Grayscaleグレースケールカラーモード
Indexedインデックスカラーモード
BackgroundTransparent背景を透過
White背景を白塗り
Black背景を黒塗り

新規作成すると、以下のような画面となります。

右側の「ツール」から、鉛筆や消しゴムなどのツールを選び中央の「キャンバス」に絵を描いていきます。色は左側の「パレット」から選択します。

グリッドを表示してわかりやすくする

メニューから「View > Show > Pixel Grid」を選ぶとグリッドの線が表示されてドット打ちしやすくなります。

ピクセル単位で線が引かれます

パレットの色を変更する

パレットの色は、右側の「パレット」の下にある部分で変更します。

色が決まったら、赤い「!」ボタンをクリックします。

するとパレットに新しく色が追加されます。

  パレットのテンプレート

パレットのテンプレートはここのボタンをクリックすると、テンプレートの一覧が表示されます。

Tips

ファイルダイアログを変更する

Aseprite独自のファイルダイアログは少し使いにくいので、OS標準のものに変更しておくと良いです。

メニューの Preferences で設定画面を開いて “Experimental” の Use native file dialog」にチェックを入れるとファイルダイアログが OS標準のものとなります。

Pixel-perfectについて  

Pixel-perfectを有効にすると、線を引いたときにギザギザがなくなります。

シームレステクスチャの作り方  

メインメニューから「View > Tiled Mode > Tiled in Both Axis」を選ぶとタイルモードになり、つなぎ目に違和感がないかどうかチェック・編集することができます。

パレットのリセット

色数を減らして png などで保存するとパレットが失われてしまうのですが、デフォルトのパレットは以下の手順で復元できます。

  1. 左上の■のアイコンをクリック
  2. DB32” のプリセットを選ぶ

なおパレットのプリセットは他にも特徴的なものがあって面白いです。

  • BubbleGum16: ビビットな色合いの16色パレット (BUBBLEGUM 16 PALETTE)
  • ENOS16: 淡めの16色パレット (ENOS16 PALETTE)
  • Game Boy: ゲームボーイ配色 (4色)
  • Game Boy Color Type1: ゲームボーイカラー配色
  • MSX1: MSX1の配色
  • MSX2: MSX2の配色
  • NES: ファミコン配色
  • NES NTSC: ファミコン配色 (NTSC版)
  • PICO-8: PICO-8配色

パレットの入れ替えや色の置き換え

例えばこのような爆発エフェクトの何もない部分が「黒」になっているので、特定のパレットを「透過」したい場合があります。

メニューから「Sprite > Color Mode」を選び「Indexed」をクリックします。

これでパレットの色を交換できます。

ただ、ドラッグ&ドロップによる交換は隣り合った色でないと順番が壊れてしまう問題があります。

色の置き換えで問題ないなら、対象の色を選択して “Ctrl+C” (macOSの場合は Cmd+C) でコピーし、”Ctrl+V” (macOSの場合は Cmd+V) で貼り付けると簡単に置き換えられます。

テキストの挿入  

メインメニューから「Edit > Insert Text」でテキストを挿入できます。ただし環境によっては読み込めない・正しくレンダリングされないフォントがあるようです。なお日本語は入力できないので、クリップボード経由でコピペすると表示できます。

左右対称の編集  

メインメニューから「View > Synmmetry Options」を選びます。

するとシンメトリーの編集モードを選択できるようになります。

ここから真ん中のボタンを選ぶと左右対称編集、右のボタンを選ぶと上下対称編集となります。さらに対称編集のボーダーラインはドラッグして移動させることもできます。

お手本の画像を参考にドット絵を描きたい

お手本の画像を開きながらAsepriteでドットを描くときに便利な方法です。

この方法を使うと以下のようにお手本画像を開きながら、ドット絵を打つことができます。色のスポイト使えるので色トレスも容易です。

方法は簡単で、お手本画像と作業用を同時に開きます。

そしてお手本画像をパレットのとなりにドラッグ&ドロップすると画像を並べることができます。

コマンド(シェル)から画像ファイルを変換したい  

実行ファイルの引数に「–batch」オプションをつけると、コマンド(シェル)から実行できます。

aseprite.exe --batch item.ase --save-as item.png

これは「item.ase」を「item.png」に出力するコマンドです。

MacOSX環境であれば以下のコマンドとなります。

/Applications/Aseprite.app/Contents/MacOS/aseprite --batch item.ase --save-as item.png

なお詳細は公式ドキュメントのCLIを参照します。

Pythonから変換する例  

以下はPythonでの実装例です

#! /usr/bin/env python
# -*- coding: utf-8 -*-

import os

def main():
	TOOL = "/Applications/Aseprite.app/Contents/MacOS/aseprite"

	cmd = TOOL + " --batch item.ase --save-as item.png"
	os.system(cmd)

if __name__ == '__main__':
	main()

よく使いそうなショートカットキー 

キー詳細
Space + 左ドラッグスクロール
Cmd + 左クリック全体を移動
Alt + 左クリックスポイト
Cmd + Z元に戻す
B鉛筆ツール
E消しゴムツール
G塗りつぶしツール
M範囲選択
Cmd + D範囲選択解除

メインメニューの機能  

メインメニューから選択可能な項目について記載しています。

ツールバー  

右端にあるツールバーの説明です

範囲選択(M)  

左クリック:領域選択 / 右クリック:選択範囲の減算

項目名ショートカットキー概要
矩形範囲選択M矩形で範囲選択を行うツール
円範囲選択Shift + M円で範囲選択を行うツール
投げ縄ツールQ自由な形状で範囲選択を行うツール
ポリゴン選択ツールShift + Q三角形の3点を指定して選択するツール
自動選択ツールW連続して存在する同じ色を自動で選択するツール

自動選択ツールで色を選ぶ対象を大きくする方法

デフォルト設定だと、完全に一致するピクセルのみ色を自動選択するようになっていますが、Tolerance (許容範囲) の値を大きくすることで、近い色を拾うことができます。

鉛筆(B)  

項目名ショートカットキー概要
鉛筆B
スプレーShift+B

消しゴム(E)  

項目名ショートカットキー概要
消しゴムEクリックしたピクセルを透過色で消去
スポイトIクリックしたピクセルの色を取得

ズーム(Z)  

項目名ショートカットキー概要
ズームZ左クリックで拡大 / 右クリックで縮小
ハンドHドラッグ移動で画面をスクロール

移動(V)  

バケツ(G)  

線(L)  

四角(U)  

塗りつぶし(D)  

項目名ショートカットキー概要
塗りつぶしD指定の範囲を塗りつぶす
塗りつぶし(ポリゴン)Shift+D三角形の3点指定して塗りつぶす

ブラー(R)  

メニュー一覧  

ショートカットキーは、Mac OS X 基準としています。

Fileカテゴリ  

ファイルの作成や読み込み、保存を行います。

項目名サブ項目概要ショートカットキー
Newファイルの新規作成Cmd + N
Openファイルを開くCmd + O
Open Recent履歴ファイル履歴からファイルを開く
Save上書き保存Cmd + S
Save As名前をつけて保存Cmd + Shift + S
Save Copy As名前をつけてコピー保存Cmd + Shift + C
Closeファイルを閉じるCmd + W
Close Allファイルをすべて閉じるCmd + Shift + W
Import Sprite SheetスプライトシートをインポートするCmd + I
Export Sprite SheetスプライトシートをエクスポートするCmd + E
Repeat Last Exportスプライトシートを再エクスポートするCmd + Shift + X
Exit終了Cmd + Q

Editカテゴリ  

画像の編集や色の変換を行います。

項目名サブ項目概要ショートカットキー
Undo取り消しCmd + Z
Redoやり直しCmd + Y
Cut切り取りCmd + X
CopyコピーCmd + C
Paste貼り付けCmd + V
Clear???Del
Rotate180180°回転
90 CW90°右回転
90 CCW90°左回転
Flip Horizontal水平方向に反転Shift + H
Flip Vertical垂直方向に反転Shift + V
Transform変形Cmd + T
New Brush新規ブラシCmd + B
Replace Color色の置き換えShift + R
Invert色の反転
FXConvolution Matrix様々な特殊効果F9
Color Curve色調補正Cmd + M
Despeckle (median filter)ノイズ除去
Insert Textテキストの挿入T
Toolsツール設定(タイルやグリッドの設定)C
Keyboard Shortcutsキーボードショートカットの設定Cmd + Alt + Shift + K
Preferences環境設定Cmd + ,

Spriteカテゴリ  

スプライトの設定や操作を行います。

項目名サブ項目概要ショートカットキー
Propertiesスプライト設定Cmd + P
Color ModeRGB ColorRBGカラーモード
Grayscaleグレースケールモード
Indexed (No Dithering)パレットカラー
Indexed (Ordered Dither)パレットカラー(???)
Duplicateスプライトを複製して別のビューで開く
Sprite Sizeスプライトサイズ変更
Canvas Sizeキャンバスサイズ変更
Rotate Canvas180キャンバスを180°回転
90 CWキャンバスを90°右回転
90 CCWキャンバスを90°左回転
Flip Canvas Horizontalキャンバスを水平方向に反転
Flip Canvas Verticalキャンバスを垂直方向に反転
Cropクロップ(選択範囲でリサイズ)
Trimトリム(余白を除去してリサイズ)

Sprite Sizeの設定について  

  • Pixels: Width / Height: 拡大縮小する幅と高さをピクセル数で指定
  • Percentage: Width / Height: 拡大縮小する幅と高さをパーセンテージで設定
  • Lock Ratio: チェックを入れると現在の画像サイズ比を固定する
  • Interpolation: 補完の設定
    • Nearest-neighbor: ピクセル等倍で拡大縮小する。元のドット絵の雰囲気を残して拡大する場合はこちらを選ぶ
    • Bilinear: 線形補間で拡大縮小する。色の設定をインデックスカラー(パレット)にすると、パレット内の色でぼやけた感じに拡大縮小してくれます

Layerカテゴリ  

レイヤーに関する操作を行います。

項目名サブ項目概要ショートカットキー
Propertiesレイヤー設定Shift + P
Visibleレイヤー表示・非表示Shift + X
New Layerレイヤーを新規作成Shift + N
Remove Layerレイヤー削除
Background from Layerレイヤーを背景にする
Layer from Background背景をレイヤーにする
Duplicateレイヤーを複製
Merge Down下のレイヤーと結合
Flattenレイヤーを統合

Frameカテゴリ  

フレームに関する操作を行います。

項目名サブ項目概要ショートカットキー
Frame Propertiesフレーム設定P
Cel Propertiesセル設定
New Frameフレームの新規作成Alt + N
New Empty Frame空のフレームを新規作成Alt + B
Copy Cel in Next Frame次のフレームにセルをコピーAlt + M
Remove Frameフレームの削除Alt + C
TagsTag Propertiesタグの設定
New Tagタグの新規作成
Remove Tagタグの削除
Jump toFirst Frame最初のフレームに移動Home
Previous Frame1つ前のフレームに移動, (カンマ)
Next Frame次のフレームに移動. (ピリオド)
Last Frame最後のフレームに移動End
Go to Frame指定のフレームに移動Alt + G
Play Animationアニメーションの再生Enter
Constant Frame Rateアニメーション再生速度の設定
Reverse Framesフレームの逆転Alt + I

Selectカテゴリ  

選択領域の操作を行います。

項目名サブ項目概要ショートカットキー
All全選択Cmd + A
Deselect選択解除Cmd + D
Reselect再選択Cmd + Shift + D
Inverse選択範囲を反転Cmd + Shift + I
Color Rangeマスクカラーの設定
Load from MSK fileマスクファイルの読み込み
Save to MSK fileマスクファイルの保存

Viewカテゴリ  

ビューの表示や設定をします。

項目名サブ項目概要ショートカットキー
Duplicate Viewビューの複製
Show Pixel Gridピクセルのグリッド表示Alt + Shift + G
Show Gridグリッドの表示Shift + G
Snap to Gridスナップ有効・無効Shoft + S
Grid Settingsグリッド設定
Selection as Grid選択範囲からグリッドを設定
Tiled ModeNodeタイルモード無効
Tiled in Both Axisタイルモード(上下左右)
Tiled in X Axisタイルモード(左右)
Tiled in Y Axisタイルモード(上下)
Set Loop Sectionループ区間の設定F2
Show Onion Skinオニオンスキンを表示F3
Timelineタイムラインの表示Tab
Previewプレビューの表示F7
Fullscreen PreviewフルスクリーンでプレビューF8
HomeHomeビューの表示
Refresh & Reload Skinリフレッシュ&スキンのリロードF5

Helpカテゴリ  

ヘルプやバージョン情報の表示を行います。

項目名サブ項目概要ショートカットキー
Readmeリードミー表示
Quick Reference簡易リファレンス表示
Documentationドキュメント表示
Tutorialチュートリアル表示
Release Notesリリースノート表示
Twitter公式Twitterアカウント表示
Donate寄付する
Aboutバージョン情報表示

参考になるドット絵の本

ドット絵教室

「ドット絵教室」は、初心者〜中級者向けのドット絵の参考書です。

出典:ドット絵教室

どうやればお手本のドットが描けるのかを事細かに説明されていて、理論よりも「とりあえず描いてみて手を動かしながら覚えたい!」という方におすすめです。

 ドット絵教室
レベル:初心者〜中級者
 (1)
お手本を参考に学びたい
 (4)

FF DOT. -The Pixel Art of FINAL FANTASY-

ファイナルファンタジーがドット絵だった時代の作品(1〜6) のドット絵を集めたものです。

出典:FF DOT. -The Pixel Art of FINAL FANTASY-

1〜3 のファミコン時代の作品が中心となっていて、スーパーファミコン時代の4〜6はやや少なめです。

これをデメリットと考えるかはその人次第ですが、個人的にはファミコン時代の作品は色数が少ないので真似しやすくて初心者向けとしては良い題材ではないかと思っています。

 FF DOT. -The Pixel Art of FINAL FANTASY-
レベル:初心者〜中級者
 (3)
FFのドット絵を参考にしたい
 (5)

ピクセル百景 現代ピクセルアートの世界

「ピクセル百景 現代ピクセルアートの世界」は教本ではなく「画集」なのですが、クオリティーの高いドット絵はインスピレーションを刺激してくれます。

ピクセル百景 現代ピクセルアートの世界

難易度としては高めですが、これを最終的な目標として勉強を続けるモチベーションにするのも良いと思います。

 ピクセル百景 現代ピクセルアートの世界
レベル:中級者〜上級者
 (4)
プロレベルのドット絵を見たい
 (5)
モチベーションを上げるアイテム
 (4)

ULTIMATE PIXEL CREW REPORT ピクセルアートではじめる背景の描き方

こちらはドットの背景を描くことに特化した教本となります。そのためキャラクターの描き方は書かれていませんが、ドット絵の基礎から応用、遠近法やパースや構図、と盛り沢山な内容で技術力を上げるために手元においておきたい本です。

出典:ULTIMATE PIXEL CREW REPORT ピクセルアートではじめる背景の描き方
 ULTIMATE PIXEL CREW REPORT
ピクセルアートではじめる背景の描き方
レベル:初心者〜上級者
 (3)
初歩から技法を学びたい
 (5)