【Spine】2Dアニメーションツール Spine の使い方

Spineとは

Spine とは2Dアニメーションを作成するためのツールです。ボーンを入れることで人体のような複雑な動きをさせることも可能で、アクションゲーム向きな印象です。

対応するゲームエンジンの多さが圧巻で、Unity / Unreal Engineはもちろんのことマイナーな環境でも動作するのが魅力ではないかと思います。

ただ日本語の情報が少なく、導入の時点でつまづく人も多いような気がしました。
ということで、今回は基本操作を理解するために、簡単な拡大アニメの作り方を紹介したいと思います。(ボーンの使い方は説明しません)

画面レイアウトの説明

重要な機能に絞って、簡単に画面レイアウトを説明します

  • メニュー : ここをクリックするとプロジェクトの保存やエクスポートができます
  • モード切り替え : 「SETUP」と「ANIMATION」の2つのモードを切り替えます
  • Treeビュー : 配置する画像データやボーン構造の管理をします

使用する画像データ

今回は以下の画像を使います。

右クリックで保存して、画像はデスクトップの “project” フォルダに保存するとします。

作業フォルダの登録

Spineを起動したら、何はともあれプロジェクトの保存をします。左上のSpineのロゴをクリックするとメニューが表示されるので「Save Project As …」を選択します。

プロジェクトファイルは、デスクトップにある”project”フォルダに保存します。これにより、基準ディレクトリが”project”フォルダになります。

画像フォルダの確認

TreeビューのImageフォルダを展開して spine画像 があることを確認します。
なお、素材フォルダをプロジェクトと別にしたい場合には、下にあるBrowseボタンをクリックして変更します。

画像をRootノードに登録する

spine画像を画面中心にドラッグ&ドロップしてRootノードに登録します。

もし配置位置がズレてしまったら下にある「Transform > Translate」を選択して移動を有効にして調整します。

アニメーションの作成

素材の配置が完了したので、アニメーションを作成します。
「SETUP」をクリックして「ANIMATE」モードに切り替え、Dopesheetをクリックすると、アニメーションのシートが表示されるようになります

キーを作成する

今回は拡大するシンプルな拡大アニメを作ります。
まずはDopesheetを0フレーム目に合わせて、画像を選択し、Scaleを選択、カギアイコンをクリックするとキーが打たれます。

このカギアイコンですが、

  • 緑色 : キーがない
  • 黄色 : キーの値が変更された
  • 赤色 : キーの値が反映された

となります。よくある失敗が 値を変更したものの(黄色のままにして)、別のフレームを選んだり別のノードを選択してしまい、値が反映されない というケースです。その場合、変更した値は元に戻り、やり直さなければなりません。なので値を変更したら、カギアイコンをクリックして反映させるのを忘れないようにします。

拡大アニメのキーを打つ

続けて30フレーム目を選択し、Scale値をX軸Y軸ともに「2.0」を指定し、カギアイコンをクリックします。

横向きの三角ボタンを押すと拡大アニメの確認ができます。また回転矢印をクリックするとループ再生となります。

補完の仕組み

作成したキーは2つだけですが、滑らかに拡大してくれました。この仕組みは「補完」が有効になっているためです。補完を有効にするためには

  • 2つのキーが存在する
  • そのキーの間の補完設定が有効になっている

という2つの条件が必要となります。試しに最初のキーをDeleteキーで削除すると補完されなくなっているはずです。また補完の設定は「Playback」ボタンから確認できます。ここの「Interpolated」が有効になっていると補完されるようになります。

補完の方法を変更する

デフォルトだと直線の補完なので、これを曲線にしてみます。
補完の開始フレーム(0フレーム目)を選択し、「Graph」ボタンをクリックすると、グラフが表示されます。

このGraphの右上にあるアイコンから「Bezier Curve」を選択し、表示された制御点(白丸)左右に伸ばしていきます。

すると、緩急のついた拡大アニメとなります。

出力をする

最後に出力方法です。
メニューから「Export」を選びます。

Exportダイアログが表示されるので、実行環境にあったフォーマットを選び、出力フォルダを指定して「Export」ボタンで出力完了です。

たいていの環境ではAtlasテクスチャが必須のようなので、「Create atlas」にはチェックを入れるようにします。

おまけ

各エディションの違い

エディション値段説明
体験版無料プロジェクトの保存やエクスポートができません
Essential$69基本機能のみ。凝ったアニメーションをしないならこれで充分
Professional$329すべての機能が入ったもの
Enterprise$2299年間の売上が$50万を超える場合には、このエディションの購入が必要

※EssentialからProfessionalへのアップグレードは$189で可能なので、Essential買った後でアップグレードしても損しないです

Essentialと Professionalの違い (Professionalで有効な機能)

  • Auto Key : スケルトンポーズのキーを自動でつけてくれる
  • Dopesheet Keyの入力補助 : アニメーションタイムラインであるDopesheetの入力補助
  • Ghostの表示 : アニメを確認するためのゴーストの表示ができる
  • メッシュ機能 : 矩形をポリゴンへコンバートできる
  • 画像の自由な変形 : 画像を柔軟に変形できる
  • スキニング : メッシュに複数のボーンを持たせて変形できる
  • IK : インバースキネマティクスのサポート

チートシート(よく使うショートカットキー)

完全な情報はこちらにありますが、よく使うものを抜粋しました

分類アクションキー
メニューエクスポートCmd+E
一般名前の変更F2
~表示・非表示の切り替えH
~非選択状態にするSpace / ESC
ビューカメラの移動マウス右ドラッグ
~カメラのズームマウスホイール
~複数の項目を選択Cmd+左クリック
~矩形で複数の項目を選択Spaceで非選択状態にして、何もない場所から左ドラッグ
TransformScaleを選択X
~Rotateを選択C
~Translateを選択V
~選択しているTransformのX軸の値を増減左右キー
~選択しているTransformのY軸の値を増減上下キー
~15度ずつ回転するShiftを押しながらマウス左ドラッグ
ToolsPose(ボーンの制御モード)を選択B
~Create(ボーンの追加モード)を選択N
Setup親の設定P
Animation再生と一時停止D
~逆再生A
~0フレーム目に戻すQ
~最終フレームに移動E
~次のキーに移動W
~1つ前のキーに移動S
~1フレーム進めるR
~1フレーム戻すF
~10フレーム進めるShift+R
~10フレーム戻すShift+F
~ループ再生のON/OFFCmd+R
Tree名前の変更ダブル左クリック
Dopesheetスクロールマウス右ドラッグ
~キーの削除キーをダブル左クリック
~キーの切り取りCmd+X
~キーのコピーCmd+C
~キーの貼りつけCmd+V
Timelineスクロールマウス右ドラッグ

SETUPモード

ANIMATEモード

参考リンク

  • Spineを使ってみた Part1: ボーンのつけ方を紹介しています。ボーンアニメの作り方の説明がないですが、頑張れば何とかなります

関連ページ

Spineでよく使いそうな機能の備忘録を書きました

Spine備忘録