オーディオ(サウンド)編集のフリーソフトである「Audacity」の基本的な使い方を説明します。
なお Audacity は非常に多機能であるため、ゲームを作るにあたって必要な編集項目に厳選して解説します。
目次
オーディオ編集ソフト「Audacity」の基本的な使い方
オーディオ編集ソフトを使う理由
オーディオ編集ソフトを使う理由としては以下のことがあります。
- 音量が大きすぎるので小さくしたい(または小さいので大きくしたい)
- 無音部分を消して再生タイミングを調整したり、ファイルサイズを減らしたい
- モノラルにしてファイルサイズを減らしたい
- 音の尺が長いので短くしたい
これらを行う方法についても書いていきます。
インストール方法
ダウンロードは以下のページにアクセスします。
このページから「DOWNLOAD AUDACITY」をクリックします。
ページの遷移先でしばらく待つと以下のようなダイアログが表示されるので「許可」を押してダウンロードを開始します。
Windowsの場合は実行ファイル、macOSの場合は dmg ファイルがダウンロードされるので、ダブルクリックしてインストール(または起動)をします。
オーディオファイルの読み込みと保存
オーディオファイルの読み込みはファイルをドラッグ&ドロップで読み込みます。
ファイルの保存はメニューから「ファイル > エクスポート > WAVとしてエクスポート」を選びます。BGMの場合は「MP3」で保存した方が良いかもしれません。
オーディオファイルの再生と停止
再生するには「▶」ボタン、停止するには「■」ボタンを押します。
また「Space」キーでも再生と停止ができるので、通常は「Space」キーを使うと便利です。
音量の調整
色々なところから素材をダウンロードすると、音量のバランスが合っていないことがあるので、その場合は音量を調整します。
最終的な音量を調整したいだけであれば、エフェクトのここの部分を左右に移動させて音量を調整します。
波形を直接小さくしたい場合には以下の手順で、直接波形を小さくできます。
- 1. 小さくしたい部分を左ドラッグで選択(または “Ctrl+A” で全選択)
- 2. メニューから「エフェクト > 増幅」を選択
- 3. 「増幅」ダイアログから音量を調整する
左ドラッグで音量を小さくしたい部分を左ドラッグします。(または Ctrl+A で全選択。macOSの場合は Cmd+A)
メニューから「エフェクト > 増幅」を選びます。
増幅ダイアログが表示されるので、中央のスライダーを左に移動させると小さくなり、右に移動させると大きくなります。
プレビューで確認して、問題なさそうな音量になったら「適用」ボタンで確定します。
例えば増幅の値を小さくすると、以下のように波形が小さくなります。
無音部分をカットする
素材の前後の無音部分を削りたいとします。
この無音を削りたい場合は、無音部分を左ドラッグします。
この状態で「Deleteキー」を押すと選択部分が削除できます。
もしくはメニューから「編集 > 削除」(Ctrl+K) でも削除できます。
ループ区間の解除
波形の選択をしているとたまにこのように「一定区間」を繰り返し再生する状態になってしまうことがよくあります。
これはここのループ区間設定が有効になってしまっているためです。
これを解除するには、水色の部分を右クリックして「ループを解除」を選びます。
波形の拡大と縮小
波形表示の拡大や縮小をするにはここの虫眼鏡ボタンをクリックします。
フェードアウト・フェードイン
音を短くするために、発音が行われている部分をカットする場合があります。
例えばこのようなカットを行う場合です。
このようにすると、音の消え方が唐突である違和感が発生したり、音の最後が「ブツっ」と切れたノイズが発生してしまうことがあります。
そのため、フェードアウト(音量を少しずつ小さくする)と良いです。
フェードアウトするには波形の後ろの部分を選択します。
そしてメニューから「エフェクト > フェードアウト」を選びます。
すると以下のような波形となりブツ切れ感がなくなります。
フェードインは「エフェクト > フェードイン」で適用できます。
再生速度を変更する (ピッチ変更あり / 変更なし)
再生速度を長くしたり短くしたい場合があります。
その場合はまず波形を Ctrl+A で全選択します。
そして「エフェクト > 速度を変更」を選びます。
「速度を変更」ダイアログが表示されるので、中央のスライダーを移動させることで速度が変化します。
ただこの方法だとピッチ(音程)も一緒に変化してしまいます。
ピッチを変更したくない場合は「エフェクト > 連続的伸縮」を選びます。
「連続的伸縮」ダイアログの右側にあるスライダーを移動すると、ピッチの変更なしで音の長さを変更することができます(左が長く[遅く]する、右が短く[速く]する)
モノラル音声にする
ゲームのSEの場合、ステレオ的な広がりのあるSEでなければ、通常モノラルにしたほうがサイズが半分になって良いです。(特に3Dゲームでは通常SE自体はモノラルにして、プログラムで定位を変えることが多いです)。
以下のようなステレオサウンドをモノラルにしてみます。
モノラルにするには波形の左側にある枠の中から「▼」をクリックして、「ステレオからモノラルに分離」を選びます。
するとトラックが別々に分離します。
そうしたら「X」ボタンをクリックして分離したトラックを削除します。
実際に出力して確認すると、モノラル音声はサイズが半分に減っていることが確認できます。
Steamなどで配信する場合はあまりサイズを気にする必要はないですが、モバイル向け(iOSやAndroid)ではサイズ制限(ダウンロード制限を受ける)ので、この方法でサイズを少し削減できます。