この記事では、Godot Engine でサイドチェインを使う方法について説明します。
目次
Godot Engineでのサイドチェインの設定方法
サイドチェインとは
サイドチェイン(サイドチェーン)とは、あるエフェクトのかかり具合等を、他のトラックの入力信号等でコントロールする手法。
あるトラックにコンプレッサーをインサートするとそのトラックの音量に従ってコンプがかかるが、別途外部入力を設けることで、そこからの音声信号をトリガーとしてコンプのかかり具合をコントロールできる。
島村楽器 – 【FAQ】サイドチェイン(サイドチェーン)とは?
ゲームでのサイドチェインの使われ方としては、ボイスを聞き取りやすくするため、ボイス再生中にはBGMの音量を下げる…といったものです。
例えば以下の動画では、ボイス再生中にサイドチェインでBGM音量を小さくしています。
なおボイス素材として、効果音ラボ様の素材を使わせていただいています。
サイドチェインの設定方法
サイドチェインを使うためには以下の手順で設定をします。
- 1. オーディオレイアウトを開いて、各 Busを追加して、それぞれの名前を “BGM” “Voice”にする
- 2. BGM の Bus に “Compressor” (コンプレッサー) エフェクトを追加する
- 3. Compressor のインスペクタから “Sidechain” の項目に “Voice” を指定する。 “Threshold” の値を -15 〜 -20 に指定する
- 4. BGM再生用の.AudioStreamPlayer に “BGM” の Bus を設定、ボイス再生用の AudioStreamPlayer に “Voice” の Bus を設定する
まずはエディタ画面下にある「オーディオ」をクリックして、オーディオレイアウトを表示します。
次に「パスを追加」をクリックして、Busを追加します。この Bus が再生トラックに該当します。
そして Bus の名前を「BGM」変更します。
さらに Bus を追加して、名前を「Voice」にします。
BGM の Bus に Compressor エフェクトを追加します。「エフェクトを追加」の部分をクリックします。
するとポップアップからエフェクトの一覧が表示されるので「Compressor」を選択します。
エフェクトに「Compressor」が追加されました。
作成した「Compressor」をクリックすると、インスペクタにCompressor の設定項目が表示されます。
インスペクタの設定項目から以下のように設定します。
- Threshold: “-15” 〜 “-20”
- Sidechain: “Voice”
この設定の意味ですが、”Voice” の Bus の音量を入力として、閾値 「-15」で音のコンプレッサーを有効にする設定となります。個人的な感覚としては “Thoreshold” の値は「-15」〜「-20」が良い感じにサイドチェインがかかる印象です。
ちなみに “Threshold” の値は「”0″ 〜 “-60″」まで有効です。「-60」にすると少しの音で音が小さくなります。「0」にするとほぼ影響を受けなくなります。
4. 各AudioStreamPlayerの Bus を設定する
AudioSteamPlayer ノードを作成します。
そしてインスペクタから、それぞれの “Bus” に作成したBusを設定していきます。
完成プロジェクト
今回作成したプロジェクトファイルを添付しておきます。