アディクション・ベースド・ゲームデザイン

Addiction-based design (アディクション・ベースド・ゲームデザイン) とは、依存症ベースのゲームデザインです。

  • http://rpgvault.ign.com/articles/986/986323p1.html (リンク切れ)

本文の意訳

アディクション・ベースド・ゲームデザインとは?

意訳というか、主観が時々紛れ込んでいるので、ご注意を…。

a game uses rewards of any sort to entice you to experience highly repetitive content, you should see what it’s trying to do and which of your buttons it’s trying to press. If you don’t mind, that’s cool, but you should understand it.

アディクション・ベースド・ゲームデザインはあらゆる種類の報酬を使用して、非常に反復的なコンテンツを体験するように誘惑します。それにはゲームが何をしようとしているのか、どのボタンを押そうとしているのかを確認する必要があります。 よろしければ、それはすばらしいことですが、理解しておく必要があります。

アディクション・ベースド・ゲームデザインは、プレイヤーをゲームに依存させるために「反復性のある動作」を経験させ「報酬」を受け取ることに依存させる方法。これを機能させるためには、プレイヤーがどのような報酬を得るために、どのような動作を選択するのかを、観察する必要がある。

重要なキーワードは、

  1. 反復動作
  2. 報酬

の2つ。

アディクション・ベースド・ゲームデザインはMMORPGを長く遊ばせるための手法

And then, there is that strange, visceral feeling of accomplishment obtained from character building and earning rewards. It is a strange phenomenon, best seen in massively multiplayer RPGs.

そして、キャラクタービルドと報酬の獲得から得られる、奇妙で本能に訴えかける達成感があります。これは奇妙な現象であり、大規模なマルチプレイヤーRPGで最もよく見られます。

それを最適な形で実現しているのが、MMORPG。

These games are based on repetition – killing the same monsters, fighting through the same raids, doing PvP on the same battlegrounds, gathering and crafting the same recipes.

これらのゲームは繰り返しに基づいています — 同じモンスターを殺し、同じ襲撃で戦う、同じ戦場でPvPを行う、同じレシピを集めて作ります。

MMORPGでは、

  • 同じモンスターを倒し続ける
  • プレイヤー同士の戦い
  • 同じレシピを集める

という「反復動作」を行うことが核となるゲーム。

コアとなるのが「反復動作」

And, in return, players get little rewards. Statistics go up. Experience bars fill. You push a lever and a reward pellet comes out. There is the feeling that something has been accomplished, a sensation that is amazingly addictive.

そして、その見返りに、プレイヤーはほとんど報酬を受け取りません。統計(総獲得経験値や敵を何体倒したかというゲームプレイに直接関係ない数値)が上がる。経験値バーがいっぱいになる。レバーを押すと報酬ペレットが出てきます。何かが成し遂げられたという感覚があります、驚くほど中毒性のある感覚。

その反復動作により、プレイヤーは「小さい報酬」(経験値)を得ることができ、レベルアップなどの報酬を受け取ります。それは、何かを達成したという、驚くほどの中毒性を持ちます。その満足感が依存症のようにゲームプレイを続けさせます。

I call this the grind/reward cycle, and it can keep players coming back to one game for years.

私はこれを反復性のある動作/報酬サイクルと呼んでいます、そしてそれはプレーヤーが何年もの間1つのゲームに戻ってくることを続けることができます。

これを反復性のある動作/報酬サイクルと呼び、そして、それはプレイヤーを1ゲームに長年戻らせ続けることができます。

  • 反復性のある動作 ←→ 報酬

のゲームループが、プレイヤーをゲームに依存させるためのシステムとなる。

Grindの意味

Grindは「穀物などを𦥑ですりつぶす」というのが本来の意味です。

そこからオンラインゲームのスラングとして、レベルランク上げやクエストを意味し、それをするための「退屈な繰り返し作業」という意味でも使われるようになりました。

そのため、ここでは「反復性のある動作」と解釈しています。

「報酬を小出し」にすることでゲームに長くとどまらせる

One key aspect of this design is that it gives many small rewards instead of a few big ones, so that the player is receiving constant positive reinforcement. A classic example is the style of skill improvement in World of Warcraft and EverQuest. When you gain a level, your skills don’t go up five points. Instead, your maximum goes up that much, and then the skill itself increases with use, a point at a time. Splitting up the reward into many parts increased the number of reinforcements.

このデザインの重要な側面の1つは、いくつかの大きな報酬ではなく、多くの小さな報酬を与えることです。そのため、プレイヤーは常に前向きな強化を受けています。典型的な例は、World of Warcraft と EverQuest のスキル向上のスタイルです。レベルを上げてもスキルは5ポイント上がりません。代わりに、あなたの最大値はそれだけ上がり、そしてスキル自体は一度に1ポイントずつ使用とともに増加します。報酬を多くの部分に分割すると、増援の数が増えます。

このデザインの特徴は、いきなり大きな報酬を与えずに、「報酬を小出しするというところ。

例えば、Warcraftやエバークエストのスキルシステム。レベルの上昇により、スキルポイントは上昇しない。(報酬の小出し)

その代わりに、レベルの上昇により得たポイントを、スキルに割り振ることにより、スキルの能力が大幅に上昇する。(報酬の階層化)

Addiction-based design isn’t a boolean, zero or one, true or false type of thing.

依存症に基づくデザインは、ブール型、0型または1型、真または偽のタイプのものではありません。

依存症ベースのゲームデザインは、単純な「成功 or 失敗」という2値の評価方法は行わない

Practically all successful games provide satisfying rewards to a player in return for long and skillful play – like unlocking new areas, making a stronger character, getting more stars in Guitar Hero.

事実上すべての成功したゲームは、長くて巧みなプレイの見返りに、プレーヤーに満足のいく報酬を提供します-新しいエリアのロックを解除する、より強いキャラクターを作る、GuitarHeroでより多くのスターを獲得するなど。

プレイヤーの様々な動作を評価し、それにより、プレイヤーは様々な報酬・アンロック(実績解除)を受け取ることができる。

Similarly, in Lego Star Wars (and other games in the series), practically everything you do, from killing a foe to smashing open a door, results in your receiving studs (money) for buying rewards and characters. No matter what you are doing, the illusion of accomplishment is maintained.

同様に、Lego Star Wars(およびシリーズの他のゲーム)では、敵を殺すからドアを壊すまで、事実上すべてのことを行うと、報酬やキャラクターを購入するためのスタッド(お金)を受け取ることになります。あなたが何をしていても、達成の幻想は維持されます。

例えば、レゴのスター・ウォーズ(そして、シリーズにおける他のゲーム)では、敵を倒すことから、ドアを破壊することまでの様々な動作が、プレイヤーに対して様々な報酬が支払われる、というゲームデザインとなっている。(つまり、何をやっても、達成感が得られる

まとめ

アディクション・ベースド・ゲームデザインをゲームに適用するためのチェックポイント

  1. 反復性のある動作と報酬のゲームループが成立しているか?
  2. 報酬を受け取れる判定を幅広くしているか?
  3. 報酬の受け取りを小出しにしているか?

1. 反復性のある動作と報酬のゲームループが成立しているか?

作業をして「報酬」を得てその報酬を使ってより効率的に作業ができる、というループ。

2. 報酬を受け取れる判定を幅広くしているか?

「成功 or 失敗」という狭い判定にするとゲームとしては面白いが、継続して遊ばせるためには向いていない。また失敗時に報酬が得られずループが止まって飽きられやすくなる

3. 報酬の受け取りを小出しにしているか?

報酬の受け取り範囲を多くすると、大きすぎる報酬はゲームの寿命を縮めることになる。そのため、階層的な報酬(レベルアップ時にスキルアップのためのポイントを受け取る)といった「報酬のための報酬」を与えるといった「報酬の小出し」が重要となる。