48時間でゲームを作る7つのヒント

投稿者: | 2015年10月11日

この記事は、ゲームデザイナーのカイル・ゲイブラー氏(「グーの惑星」などを開発。ゲームプロトタイピングについてのプロフェッショナル)が、Global Game Jam 第1回(2009)で行った基調講演の内容を個人的にまとめたものです。

なお、日本語訳がついた動画が YouTube にアップロードされていて、この記事はそれを参考にしています

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48時間内にゲームを作る意味

厳しい時間内にゲームを作るやりかたは、斬新なゲーム体験をつくりだすのに一番いい方法です。

例えば、ゲームジャムから生まれた作品としては、

Audiosurf(音楽ファイルを読み込ませて、その音楽に合わせてステージが自動生成されるパズルレースゲーム。メタスコア:85点)

audiosurf

このゲームはTune Racerという7日間で作ったプロトタイプをもとにしています。

また、Crayon Physics Deluxe(お絵かきパズルゲーム。IGF2008で大賞を獲得)

crayon

このゲームはプロトタイプを5日間で作った、とのことです。

さらに、Braid(時間を操作する2Dの横スクロール型プラットフォームアクションパズルゲーム。VGXアワード ベストインディーゲームに選ばれる。2008年のXBLAの売上2位)

braid

これは、次の作品のためにプールしていた小さなプロトタイプの1つでした。

そして、グーの惑星(グーをゴールまで導くパズルゲーム。VGXアワード ベストインディーゲーム。任天堂からWii版が発売されている)

goo

このゲームは、4日間で作ったゲームをもとにしています。

#0: ゲーム開発に必要なもの

  • プログラムを書くのにもグラフィックを作るのにもまずは「コンピューター」が必要
  • どうやってゲームが作られているのかを知っておく
  • それと、ペンと紙。アイデアを書き残すには、アナログのツールを使えば迅速だ
  • そして、『想像力』

#7: 何が期待されているのかを自覚しよう (Adjust Expectations)

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  • 48時間で、大作FPS・RPGの新作を作れるとは誰も期待していない
  • 数百万ドルかけた数百人が開発したゲームと正面から競争するのは現実的ではない
  • 同じものを作って競争すると、おそらく君よりも上手く作れるチームが勝つだろう
    • そのため、「競争してはいけない」
    • 競争するのではなく、まったく違うものを作るんだ
  • だから、これまで聞いたこともないコンセプト、……たとえば、伝染病を題材にした新作ゲームとか、自己増殖ロボットの群れが恋に落ちる新作とかを、48時間で作ることはぜんぜん可能だろう

48時間で作れる最も優れたゲームとは、

1つのコンセプトをはっきりと、

そして時間をかけずに伝えられるゲーム

#6: 簡単にゲームに入れるようにしよう (Create a Low Barrier of Entry)

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  • 48時間で作るゲームに、説明のテキストを長々と読ませる必要はない
    • 壮大な背景設定や、瀕死の王様の最後の願いとか、戦争とか仇討ちなどの説明は不要
  • ゲーム説明は、タイトル画面の後に、遊び方を1行で表示するだけでよい
  • タイトル画面にゲームの遊び方を含めてもいい

最初の15秒で面白さを伝えるようにしよう

#5: アーティスティックなテーマを絞ろう (Feel Something)

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  • アートなゲームを作るなら、たとえば、ゲームで使う音楽を先に決めてしまうんだ
    • そして、グラフィックス・サウンド・ゲームデザインすべてをこの音楽にあわせる
  • いいアートゲームを作るには、見た目だけではなく、別の要素も必要
    • テーマを持たせたり、隠された意味を感じさせるものにする
  • アート系ゲームを作ったことがなければ、まずはアートっぽいゲームの名前をつけてもいいかもね
    • 「孤独」とか、「揺るぎない運命の恩恵」とか……

アート系ゲームを作るなら、1つのアートなテーマにあわせて作ろう

#4: まずゲームをプレイテストできるようにする (Make the TOY First)

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  • 今までとは違うゲームを作るのであれば、早い段階で、ゲームのコンセプトが楽しいかどうかを確認しなければならない
    • それには、グラフィックもサウンドも作らず、新しいゲームの仕掛けを、丸や三角の絵でテストするんだ
  • 最初の段階で、ビジュアルやサウンドエフェクトに時間をかけてはいけない
    • 新しいアイデアが本当に楽しいと確信してから、肉づけをしていくんだ

まずは、触ったりいじったりするだけで楽しい「おもちゃ」を作ろう

そこには素晴らしいアートや、明確なゴール、巧みなレベルデザインは必要ない

#3: 効果的なオーディオも忘れずに (shhh..)

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ゲームの面白さの半分は「音」にあることを忘れないで

#2: ゲーム要素の調和 (harmony)

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  • 「イリーガル・コミュニケーション」というゲームは、簡単な線と円、色も2色しかないけど、よくできている
    • 映像も、音楽も、動きもすべて完璧に「調和」していて、見た目よりもずっと楽しくて深いアドベンチャーゲームだ

Illical

  • 48時間ではゲーム素材をたくさん準備することはできない
    • どうすれば素材に時間を浪費せずに「調和」をとれるのか考えよう

少ない素材で全体の調和を取ることができるようにする

#1: 自分が開発するゲームにほれこむな (Never Fall in Love)

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  • 新作を作るときに、こだわって作ると結果はいつもボロボロだった
  • 一方、「失敗しても構わない」と思ったらいいものが作れた
  • 破壊の第2法則: 「愛と努力が増せば増すほど、自爆する確率が100%に近づく」

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プロジェクトにはまらず、健全な距離を保つこと

そして派手に失敗することを恐れないで!