GDC(ゲームデベロッパー・コラム)まとめ

投稿者: | 2012年12月30日

ソレン・ジョンソン(civilization4のゲームデザイナー)のゲームディベロッパーコラム翻訳本がすごくためになったので、個人的なまとめです。

ここからPDFがダウンロードできます。(すごくためになったので、私も¥1000カンパしてみました)

#1 戦略ゲーム7つの大罪

戦略ゲームを作る際に間違ってデザインをしてしまう7つのポイントをまとめたものです。

4.メカニクスのブラックボックス化

複雑なゲームを作ってしまうと、色々なパラメータを表示するために複雑なインターフェースとなってしまいがちです。しかし、複雑なインターフェースはゲームを深く理解してくれる人にしかプレイしてもらえないゲームとなってしまいます。

そうならないようにシンプルなインターフェースを設計するべきなのですが、そうするとパラメータを隠してしまうこととなるため、ゲームを理解する手がかりがなくなってしまう…。そういう問題を解消するために以下のような提案をしています。

そうでなく、開発者はインターフェースを2層に分けるべきである。

基礎レベルと参照レベルだ。

基礎レベルは初心者が基本的な情報を得られる様にする。

例えばどうやって戦車を作って悪者を粉砕するのか。

そして参照レベルはゲームシステムに関するあらゆる質問に答えられる様にする。

このレベルの情報をゲーム内百科事典にまとめるのも有効だ。

つまりシヴィロペディアである。

この問題の解決方法としては、インターフェースを2層にします。

  • 基礎レベル:初心者が基本的な情報を得られるようにする
  • 参照レベル:上級者向けの詳細な情報ページを用意する

#2 2D対3D

2Dも色々

例えば初代”Civilization”は昔ながらの見下ろし2Dだったが、

”Civ2”は45度視点の等軸2D になった。

この手法は確かにそれなりにリアルだが、ゲーム性がいささか犠牲になった。

つまりマスとマスの距離がつかみにくい。

東西方向のピクセル数が南北方向の2倍になっているからだ。

この問題を解決するため、

”Civ4”は3Dグラフィックながら”Civ1”と同じ真っすぐな見下ろし視点を採用した。

タイルは斜めになっていない。

こうすればマスが分かり易くなり、戦略上の決定も下しやすくなる。

よくあるストラテジー系のゲームはクォータービューでなければいけない、と思っていたのですが、ゲーム性を考えればそうでもないのかなと安心しました。それだけですが…。

あと、クォータービューは実装が少し面倒なのですよね。

#3 ゲーム内経済

市場はゲームバランスを調整するか?

市場原理を使ってゲームバランスを調整しようとする試みはよくある。

例えば”Rise of Nations”では、騎士とか弓兵といったユニットを購入する度に、

同じ種類のユニットのコストが上昇する仕組みだった。

供給増による価格上昇の再現である。

これにより、軍事力を最大にするには様々なユニットを組み合わせる必要があった。

選択肢の価値が変動する事でゲームの状況は次々に変化する。

いつも決まった必勝法という物が無くなり、リプレイ性が向上するわけだ。

例えばショップで武器やボムを買わせて先に進むSTGを作る場合に、特定の武器が強すぎるとそればかり使ってしまうのですよね(事前にゲームバランスは調整しますが、見落としが発生することもある)。

そういうシステムにこのアイデアは使えると思いました。

でも少し考えたら色々なSTGでやっていますね(ファンタジーゾーンとか)

#4 基本プレイ無料に関して

しかしF2Pの世界は違う。

新参プレイヤーを釣る為に無料部分は面白くなくてはならないが、しかし面白すぎてもいけない。

欲求不満を起こさせて最終的に何らかの課金に結びつけねばならない。

デザイン上の決定は全て、無料部分と課金部分のコンテンツのバランスを念頭に行われる。

今、仕事でソーシャルゲームを作っている(正確には運営フェーズに入っている)のですが、この文章には考えさせられました。コンシューマゲーム開発に慣れている人は、無課金で楽しめる部分を多くしがちで、収益につながらない作りをしてしまいがちなのですよね…。

このあたりは無料でゲーム性をどこまで楽しんでもらうか、どこで課金させるかのゲームデザイナーの良心的なものによるかもですね。ユーザとしては無料で楽しめたほうがいいのでしょうけど、収益が出ないと運営が終了してしまいますよね。

F2Pは、「ゲームとしての面白さ」を増やすと「収益性」が下がる。

「収益性」を高くしようとすると、課金なしでは「ゲームとしての面白さ」が味わえないゲーム(金銭至上主義ゲーム)となってしまう…。

というトレードオフのバランス取りが重要ということがよく分かりました。

#5 シドのルール

「倍にするか半分に削れ」

あるユニットが弱過ぎたら、コストを5%減らすのでなく強さを倍にする。

アップグレードの種類が多過ぎて混乱するのであれば、半分を取り除く。

初代”Civilization”はゲームプレイのテンポが悪くなり、

地べたを這う様になってしまった事がある。

シドはマップサイズを半分にする事でこれを解決した。

大事なのは新しい値が正しいかどうかではない。

より多くのデザイン領域を囲い込む事が目標だ。

開発フェーズにもよるのですが、序盤〜中盤から細部の調整に入ってはいけないですね。

問題を解決するためには正しい値を設定するのではなく、より多くのゲームデザインの問題を解決する、問題をあぶりだすための調整を行うべき、ということではないかと。

#8 リアルタイム制 vs ターン制

システムの特徴
  • ターン制
    • 戦略性と透明性に優れる(秩序だったゲーム性となる)
    • しかしアクション性のあるゲームに慣れた人にとってはまどろっこしい
  • リアルタイムゲーム
    • 没入性が高い
    • 予測不可能なゲーム性
      • 状況をゆっくり検討している時間がないため展開が様々に変化する
    • マルチプレイ向き
    • しかしスピード調整を間違えると初心者がついてこれなくなる

#9 ランダム性

下地作り
  • ランダム性は上級者と初心者との技量をある程度埋める(と思われている)
  • 多くのプレイヤーはランダムイベントに自分の戦略が邪魔されることを嫌う
    • しかし、計画崩しはゲームを活性化させるために必要(特に硬直化した状況において)
    • 運の要素はある種の潤滑油、ゲームのアルコールとして働く
  • ランダム性で勝敗を決めてはいけない
    • ソリティア・マインスイーパー
    • 最初はランダムに手札や陣地がきまるが、終盤に向けてランダム性がなくなる

#13 ソーシャルゲーム革命

非同期という革命

代表的な2つのメカニクス

  • エネルギー方式
    • 特徴
      • アクションの1つ1つがエネルギーを消費する
      • 回復は実時間に基づいている
    • メリット
      • 先に進みたがるプレイヤーにとって、最適なアプローチ
      • アイテム課金と結びつけやすい
        • エネルギーパックを買えばゲームを継続できる
  • 収穫方式
    • 特徴
      • 行動をキューに入れて、数時間経過後に報酬が得られるもの
      • 行動を起こすのはいつでも自由
      • その結果が得られるまでしばらく待つ必要がある
    • メリット
      • 競争の要素が少なく、社交や自分の庭いじりに集中するゲームに向いている
      • プレイヤーが自分の生活リズムに合わせてプレイ時間を決めることができる
        • オンラインでいるなら、15分で収穫する作物にする
        • 食事や睡眠で離れるなら2時間や8時間かかる作物にする

最後に

私が気になったのはこのあたりですが、人によって参考になる部分は違うので一度読んで見ることをおすすめします。

きっとゲーム作成の役に立つと思いますよー。